一時保護所も設置へ 宇都宮市、整備予定の児童相談所 定員数などは今後検討

宇都宮市役所

 独自の児童相談所(児相)の設置を目指す宇都宮市は6日、検討課題だった一時保護所について設置する方針を明らかにした。今後、外部有識者と協議して決定する。設置場所は、児相の敷地内が有効との考えも示した。定員数などは今後、検討する。同日の市議会議員協議会で説明した。

 県内の一時保護所は県中央児相の1カ所のみ。そのほか県は、県内11カ所の児童養護施設をはじめ乳児院、病院などの民間施設に一時保護を委託している。市が一時保護所を設ければ、緊急時にもより迅速な対応が可能となり、子どもの安全確保への期待が高まる。

 市によると、県の一時保護所では複数の大部屋と個室(1室)で1日平均19人程度を保護し、委託する民間施設と合わせると昨年度の保護人数は延べ1万7473人。年によって増減はあるものの、2017年度の1万5429人から増加傾向にある。

 市は「将来的に県の一時保護所の収容可能人数に懸念がある」と説明。その上で「子どもの迅速な安全確保のため、市が自ら一時保護所を設置する必要がある」との考えを示した。設置する場合は、子どもへの負担やケアの質の向上などの観点から、児相の敷地内が有効とした。

 市は今後、外部有識者会議や市議会、県との連携推進会議で、児相の職員体制や候補地の考え方などの意見を収集。来年6月をめどに基本方針を策定する。

 一時保護所は、必要に応じて子どもを家庭から離して一時保護する施設。児童福祉法や国の指針では原則、児相に設置するとしているが、都道府県の児相や児童福祉施設への委託などで十分に確保できる場合は除外される。市は児相設置の基本方針策定に当たり、一時保護機能の有無を課題の一つとしてきた。

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