「この縁、喜ばしく思う」 高畠・ひろすけ童話賞、なかがわさんに贈呈

ひろすけ童話賞の贈呈式に臨んだ、なかがわちひろさん(右)=高畠町・浜田広介記念館

 第33回ひろすけ童話賞の贈呈式が6日、高畠町の浜田広介記念館で行われ、受賞作「やまの動物病院」を執筆した翻訳家・児童文学作家なかがわちひろさん(65)=本名・中川千尋、埼玉県白岡市=に賞状やレリーフが贈られた。

 受賞作は、ネコの「とらまる」が夜に動物病院の医者として活動し、多くの動物の病気やけがを治してあげる様子を描いている。なかがわさんは1995年に「のはらひめ」で作家デビューし、「どうぶつがすき」で日本絵本賞翻訳絵本賞を、「天使のかいかた」で同賞読者賞を受賞。ほかに「すてきなひとりぼっち」などの著書、訳書がある。

 贈呈式では、高梨忠博町長のあいさつに続き、山本省三選考委員長が「読者をファンタジーの世界にすんなりいざなう作品で、本当にこんな病院があるんじゃないかと思わせてくれる」と講評した。なかがわさんは「特別なご褒美と感じており、この縁を喜ばしく思う」と語った。

 同賞は町出身の童話作家浜田広介の功績をたたえ、優れた児童文学作品を顕彰している。今回は全国から61点の応募があった。

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