11月7日、プレミアリーグ第11節のトッテナム vs チェルシーの試合がトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われた。
トッテナムはこの試合に勝利すれば首位をキープ、敗北すれば2位に陥落という大事な試合となった。対するチェルシーは現在13位と下位に沈んでおり、今後に可能性を残すためにも強敵トッテナムに勝利して弾みをつけたいところ。また、チェルシーを率いるマウリシオ・ポチェッティーノ監督は古巣との対戦となった。
トッテナムのスターティングメンバーは、前節途中交代で出場しソン・フンミンの決勝点をアシストしたブレナン・ジョンソンがリシャーリソンに代わって左WGを務めた。また、ケガから復帰したデスティニー・ウドジェが左サイドバックとして出場した。
一方のチェルシーは、前節はセンターバックとして出場したリーヴァイ・コルウィルが左サイドバックに、右サイドバックとして出場したアクセル・ディサシがセンターバックを守る。右サイドバックには、現地時間11月2日に行われたカラバオカップのブラックバーンとの試合で復帰した、リース・ジェームズが出場し主将を務めた。
トッテナムは試合開始から猛攻を仕掛ける。前半5分、ジェームズ・マディソンのサイドチェンジをパペ・サールが受けると、右サイドでフリーになっていたデヤン・クルゼフスキにパス。クルゼフスキのシュートはチアゴ・シウヴァに当たって軌道が変わりゴール。トッテナムが幸先よく先制した。そして12分、左サイドからジョンソンのグラウンダー性のクロスをソン・フンミンがゴールへ流し込み追加点かと思われたが、VARの結果オフサイドの判定となりノーゴールに。
チェルシーは前半10分、トッテナムのスローイングのミスを見逃さず、ラヒーム・スターリングがマイボールとする。スターリングはペナルティーエリア内にいたニコラス・ジャクソンにパスし、得点のチャンスが訪れた。しかし、ジャクソンのシュートはトッテナムのGKグリエルモ・ヴィカーリオのナイスセーブに阻まれた。
試合はここから大波乱の展開となった。
20分、ジェームズのロングパスを受けたスターリングが、そのまま敵陣のPA内へ侵入。スターリングが自らシュートを放ちゴールに押し込んだ。同点かと思われたが、VARの結果はオフサイドの判定となった。
27分に試合が大きく動いた。チェルシーがカウンターを仕掛け、PA内までボール運び、トッテナムのDF陣がこれをクリアしようと試みる。しかし、クリアのこぼれ球をコール・パーマーが拾うと、モイセス・カイセドがPA手前でパスを受け、ミドルシュートを放ってゴールネットの左隅を揺らした。しかし、またもVARによりオフサイドの判定。VARが続けてクリスティアン・ロメロのPA内でのファウルの可能性を示唆。オンフィールドレビューの結果、ロメロのファウルという判定になりレッドカードが提示されて一発退場。チェルシーにPKが与えられた。パーマーがこのPKを決めて今度こそ同点に。トッテナムは残りの時間を10人でプレーすることになった。また、この退場を受けてトッテナムはジョンソンに代えてエリック・ダイアーを投入した。
トッテナムの受難は続き、40分にマディソンが左足首のケガで、43分にはミッキー・ファン・デ・フェンが右ハムストリングのケガで途中交代することに。前半だけで主力選手が3人離脱することとなった。トッテナムはマディソンとファン・デ・フェンに代えてエメルソンとピエール=エミール・ホイビュアを投入した。
その後はチェルシーが攻勢を強め、トッテナムを押し込む形で前半が終了した。
トッテナムは交代なし。チェルシーは前半にイエローカードを1枚受けているコルウィルに代えてマルク・ククレジャを投入し後半を迎える。
後半が始まると、前半の勢いそのままにチェルシーはトッテナムのディフェンスラインの裏を積極的に狙う。46分、コナー・ギャラガーからPA手前でパスを受けたパーマーがシュートを放つも、枠を捉えられず。
53分、トッテナムにまたしてもアクシデントが発生した。ウドジェのスターリングに対するファウルがイエローカードの判定となり、すでにイエローカードを1枚もらっているため退場に。トッテナムは残り時間30分以上を9人で戦うことになった。
トッテナムはその後もハイラインを敷いて戦う意志を見せる。だが74分、そのハイラインの裏へ抜け出したスターリングがボールを受けて冷静にジャクソンにパス。ジャクソンがこれを決めて、チェルシーに待望の追加点が生まれた。
77分には、間接FKのチャンスからダイアーが同点となるゴールを決めたかに思われたが、VARの結果はオフサイド。得点は認められなかった。90+3分にはソン・フンミンが個人で突破しシュートを撃ったが、これはチェルシーのGKロベルト・サンチェスがセーブ。
そして同じく90+3分、ギャラガーの2列目から抜け出しパスを受けてグラウンダー性のクロスを入れ、ジャクソンがワンタッチでゴールを決めた。続く90+7分にもジャクソンは得点を記録する。批判の声が上がっているストライカーにとってはうれしいハットトリックとなった。
試合はそのまま終了しチェルシーの勝利となった。トッテナムは無敗記録が途絶え、首位の座をマンチェスター・シティに明け渡した。
トッテナムは次節アウェーでウルブスと、チェルシーはホームのスタンフォード・ブリッジに首位マンチェスター・シティを迎えての試合となる。
◉試合結果
トッテナム 1-4 チェルシー
1-0 6分 デヤン・クルセフスキ(トッテナム)
1-1 35分 コール・パーマー(チェルシー)
1-2 75分 ニコラス・ジャクソン(チェルシー)
1-3 90+4分 ニコラス・ジャクソン(チェルシー)
1-4 90+7分 ニコラス・ジャクソン(チェルシー)