水族館、釣り堀…閉校の旧小学校が体験学習施設に 兵庫・三木市と釣り具メーカー契約 24年秋開業

体験学習型複合施設に生まれ変わる旧中吉川小学校=三木市吉川町大畑(三木市提供)

 閉校になった学びやを、再び人が集まる場所に-。旧中吉川小学校(兵庫県三木市吉川町大畑)跡地の賃貸借契約が、釣り具メーカー「ハヤブサ」と同県三木市の間で締結された。同社が提案していた計画に基づき、水族館や釣り堀、物販スペースなどを備えた体験学習型複合施設へと生まれ変わる。「OPEN SPACE(オープンスペース)」と名付けられる予定で、2024年10月のオープンを目指す。(長沢伸一)

 21年に閉校となった同校について、市は昨年、跡地の利活用案を公募。ハヤブサの計画が採用され、同社に優先交渉権が与えられていた。

 同社の計画によると、体験学習型複合施設は、できるだけ学校の面影を残して改修、開設する。校舎には物販や飲食スペースのほか、小規模な「つりの水族館」を設置。釣りで出合う魚種を中心に展示し、生態を学べる場所とする。バリアフリートイレ、ベビールームなども整備する。

 体育館は屋内釣り堀となる。釣った魚を食べられるスペースも設け、食育の場としての活用も図る。

 プールは屋外釣り堀に。淡水の中型や大型の魚釣りが楽しめる空間とする。このほか、運動場には地域コミュニティーや憩いの場となる「芝生広場」、ドッグランの設置を予定しているという。

 ハヤブサは1959年に「田尻隼人商店」として吉川町内で創業。70年に株式会社化、ハヤブサに改称した。釣り具やアウトドアグッズの製造・販売を手がけている。

 10月25日、市と同社が同校跡地の賃貸借契約(10年間)と売買予約契約を結んだ。施設を通じて、地域産業の活性化や雇用の創出、釣り文化の継承、環境教育を目指す。

 同社の歯朶(しだ)由美社長は中吉川小の卒業生という。「今まで吉川の地で経営させてもらってきた。プールのある学校跡地を使い、釣りを絡めて活性化させ、地元に恩返ししたい」と力を込めた。仲田一彦市長は「地元の業者に入ってもらい、地元にも安心してもらえる。三木市のPRにもつながれば」と話した。

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