県内のIT(情報技術)の活用を促す「やまがたITソリューションEXPO2023」が7日、山形市の山形国際交流プラザで開かれた。講演や機器の展示を通して、参加者がデジタルトランスフォーメーション(DX)の進め方や企業としての戦略を学んだ。
働き方改革や人材開発などを支援するパーソルワークスイッチコンサルティング(東京)の成瀬岳人・人的資本R&D部長が基調講演した。専門的な経験を積まなくても、さまざまなことがスマートフォン一つでできる「テクノロジーの民主化」が起きていると指摘。労働人口が減少する中で業務の生産性向上が求められており、デジタルの領域が使いこなせる人への投資や人的資本経営が重要となっていると強調した。
DXの進め方として、「コスト削減や業務効率化といった収益性の改善に取り組み、得た経験や空いた時間を新ビジネスや販路拡大につなげると、デジタルの土壌を作りやすい」と説明した。ポイントとして(1)目の前の課題解決ではなくどういう未来にしたいか構想し、そこから逆算する(2)最初から完璧を目指さず、小さく始め大きく育てる(3)誰の、何の課題を解決するのかという視点で考える―ことを挙げた。
約20の団体・企業が展示ブースを設け、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などを健康経営、スマート農業、総務業務効率化などに活用する技術が紹介された。県情報産業協会(伊藤秀美会長)が主催し、県DX推進ラボ、日本電信電話ユーザ協会が共催した。