5月のG7広島サミットでは、首脳たちが原爆資料館で被爆者の体験にも耳を傾けました。このときに語った被爆者の元に、アメリカのバイデン大統領からお礼の「手帳」が届きました。
被爆者 小倉桂子 さん(86)
「これを見て、うわーっと思いまして。確かにホワイトハウスのバイデンさんからだと…」
歴代大統領のしるしとバイデン大統領のサイン。「手帳」を受け取ったのは、被爆者の 小倉桂子 さん(86)です。6日、手元に届きました。
贈り主はバイデン大統領。添えられたメッセージには「サミットでの多大なるご協力に感謝します」と書かれていました。
被爆者 小倉桂子 さん
「こっちがバイデンさんのサイン。ここ見て。(サミットで書いた芳名録のサインと)同じでしょ」
小倉さんはサミットで各国の首脳やウクライナのゼレンスキー大統領に、自らの原爆体験を語りました。
被爆者 小倉桂子 さん
「ものすごく熱心にお聞きになった。終わったらバイデンさんたちが固い握手してくれた。『ありがとう』といって。バイデンさんが一番に」
小倉さんと対話をしたゼレンスキー大統領は、涙ぐむような表情を見せたといいます。
しかしロシアのウクライナ侵攻は続き、パレスチナ自治区ガザでの戦闘は激しさを増しています。
被爆者 小倉桂子 さん
「毎日、悲しいニュースばかりでね。どうしてこうなのかと悲しくてたまらない。でも平和の一歩は “知ることから” なので」
小倉さんのもとには「サミットで語った被爆者」として、ヨーロッパやアメリカから被爆体験を語ってほしいという依頼が一層、増えたそうです。
サミットの意義は、世界にヒロシマを伝えられたこと―。小倉さんは「手帳」が届いたことで、これからも伝え続けていく決心をしました。
被爆者 小倉桂子 さん(86)
「私はどう思って世界のリーダーに会って話をしたのか、この手帳を見るたびに思い出すと思う。年を取ったしやめたいと思うこともあるけれど『もっともっと続けて』というメッセージかなと思ったり」
「手帳」には、これからの証言活動の記録を書き留めていくつもりです。