初冬を彩る「柿のれん」 上山、春の凍霜害で少なめ

春の低温と秋の高温に負けず、盛んに行われている上山市本庄地区特産の干し柿作り=同市相生

 上山市本庄地区で特産の干し柿作りが盛んに行われている。春の凍霜害で柿の収穫量が減り、初冬を赤黄色に彩る「柿のれん」は例年に比べて少なめだが、生産者は今年も味わってもらおうと作業を進めている。

 同市相生の須田青果園では10月末に作業を始めた。同市発祥の「紅柿」の皮をむき、ひも1本につき16~18個を結び、干し場につるす。「蔵王おろし」と呼ばれる寒風にさらし干し柿にすると甘みが増す。12月上旬から出荷する予定だ。

 代表の須田善昭さん(46)によると、本庄地区の相生や関根、三上などでは4月下旬の低温が響き、園地によっては柿の収穫量は通常の半分まで落ち込むという。須田さん方でも紅柿が7割減、平核無(ひらたねなし)が全滅に近い場所が出た。収穫できるのはほぼ紅柿のみで、4割減の約18万個を見込む。

 須田さんは「春の低温に秋の高温と柿農家にとって非常に難しい年だが、楽しみにしている人たちのために、おいしい干し柿を作りたい」と話している。

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