10月末のひょう被害 長崎県内で5億3600万円 ミカン栽培は「甚大」

ミカンの被害状況などについて説明を受ける大石知事(左から2人目)=西海市西彼町

 先月27日、県内で降ったひょうによる農林業の被害額が、ミカンを中心に約5億3600万円(7日時点)に上ることが10日、長崎県などのまとめで分かった。大石賢吾知事は同日、被災した西海市西彼町のミカン栽培地を視察。市や農協と連携し支援対策の検討を進める考えを明らかにした。
 このうち、同市の被害額は約2億5300万円。県全体の5割近くを占め、西彼町に集中。収穫期のミカンが落下、傷つくなどし、ハウスなど施設27カ所でも約2800万円に上る被害が出ている。
 大石知事は、栽培ミカンの8割程度が被害を受けたとみられる同町白崎地区の樹園地(約13ヘクタール)を視察。樹勢回復のため、傷んだ果実を切り落とす作業に取り組んでいることなどをJA長崎せいひが報告した。
 白崎土地改良区の山脇初良理事長は「作業が追い付かない状態」と窮状を訴え。大石知事は「被害の甚大さを改めて実感した。生産者の方も頑張ってほしい」と励ました。
 県によると、県内の農作物などの被害額は約5億700万円。品目別ではミカン約4億6700万円、中晩柑(ちゅうばんかん)約2200万円、ブロッコリー約650万円など。地域別では西海市が約2億2400万円、諫早市が約1億3900万円、西彼長与町が約7200万円など。

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