EUの歩み「母国と日本」紹介 ポルトガル大使セレーノさん、佐賀学園高で出張授業

生徒からの質問に答えながらEUやポルトガルについて話すヴィトル・セレーノ大使=佐賀市の佐賀学園高

 ポルトガル駐日大使のヴィトル・セレーノさん(52)が9日、佐賀市の佐賀学園高で出張授業を行った。1~3年の98人を前に、欧州連合(EU)の成り立ちやポルトガルと日本との友好関係について話し、生徒の質問に答えながら交流を深めた。

 セレーノさんは「ポルトガル人が種子島に漂着して今年で480年になる。長い友好関係を大使として誇りに思う」とあいさつし、1951年に設立された欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)から始まったEUの歩みを紹介。EU国旗で円形に並んだ12個の星がヨーロッパ全体の団結や調和を象徴していることを説明し、27カ国が加盟し多様性を重んじていると強調した。

 生徒は「なぜトルコはEUに加盟できないのか」「ユーロ導入の長所や短所は」などと質問した。ポルトガル出身の世界的サッカー選手、クリスティアーノ・ロナルド選手についても尋ねた。

 2年の田代すみれさんが「EUが一つの国のように、人権や貧困問題に立ち向かう様子を知ることができた。教科書に載っていない貴重な話が聞けて、有意義な時間だった」と感想を述べた。

 EUが取り組むプロジェクト「EUがあなたの学校にやってくる」の一環で、2007年から駐日EU大使や外交官が全国の高校などを訪れている。今年は応募した全国100校以上の中から、佐賀学園高など31校を訪問した。(坂本有佐) 

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