全国高校ラグビー長崎県大会 準決勝 長崎南山と長崎北陽台、23日の決勝へ 

【準決勝、長崎南山-島原工】前半18分、長崎南山のSO土橋が右中間にトライ=県営放虎原ラグビー場

 ラグビーの第103回全国高校大会長崎県大会第4日は18日、大村市の県営放虎原ラグビー場で準決勝2試合が行われ、今季の県内主要大会4冠を狙う第1シード長崎南山、大会6連覇を目指す第2シード長崎北陽台が決勝に進んだ。両校の決勝対決は3年ぶり15度目。決勝は23日午後2時、長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場でキックオフ。
 強風が吹く厳しいコンディションの中で実施された準決勝。長崎南山-島原工は、長崎南山が風上の前半に猛攻を仕掛けた。2分にFWがラインアウトからのモールを押し込んで先制トライ(ゴール)を決めると、前半だけで6トライ(5ゴール)を奪った。サイドが変わった後半は島原工が反撃。密集戦で粘って接戦に持ち込んだが、長崎南山は終盤に2トライ(1ゴール)を追加して、52-0で快勝した。
 長崎北-長崎北陽台も、前半風上の長崎北陽台が主導権を握った。2分に連続攻撃からナンバー8久保が先制トライ(ゴール)を決めると、その後もFWが前に出続けてトライラッシュ。長崎北も23分、ラックサイドを突き続け、プロップ小池が1トライを返したが、計8トライ(4ゴール)を積み重ねた長崎北陽台が48-5で長崎北の挑戦を退けた。

◎長崎南山、攻撃力の高さ発揮
 風上の前半に6トライ(5ゴール)を奪い、この時点で試合の大勢を決めた長崎南山。久保田監督は「前半の終盤から規律が乱れ、後半は風下を変に意識しすぎた。レフェリーとのコミュニケーションも取れていなかった」と反省点を口にしたが、持ち味の攻撃力の高さを発揮して順当に決勝に勝ち上がった。
 前半はプロップ谷口、本山、フランカー小川を軸にしたFWが前に出た。バックスもエース格のCTB後藤を大学受験で欠きながらも、SO土橋らが次々にラインブレーク。主将のSH山下蓮が起点となり、この日のゲームプランの「体を当てて圧倒する」を全員で体現し続けた。
 一方で風下の後半は30分まで無得点。終盤の2トライ(1ゴール)にとどまった。山下蓮は「後半はゲインする前に細かいミスがあった。次の北陽台はコンタクトが強い。自分たちも体を当てて一歩も引かないようにしたい」と気を引き締め直していた。

◎長崎北陽台、接点の強さ生かす
 長崎北陽台は接点の強さを生かして、粘る長崎北から8トライ(4ゴール)を奪った。品川監督は「ゴールラインを背負ったときのディフェンスが悪かったが、こだわってきた接点の部分はやれていた」と一定評価した。

【準決勝、長崎北-長崎北陽台】前半7分、長崎北陽台のフッカー園田が左中間にトライ=県営放虎原ラグビー場

 風上の前半はスタートから持ち味の「継続」を披露した。キックオフのボールをキャッチすると、フェーズを重ねながら前に出て、最後はナンバー8久保がノーホイッスルトライ。その後もロック下田、田﨑凛らが接点で優位に立ち、齊藤、園田、相川の第1列もセットプレーなどでプレッシャーをかけ続けた。
 悔やまれるのは、この展開の中で許した前半終盤の1トライ。主将の齊藤は「“反則をしない”をテーマにしていたが、それができなかった。次はこの1年間、照準を合わせてきた試合。ミスをなくして、北陽台のプライドを持って、チャレンジャーとして臨みたい」と意気込んでいた。

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