インドネシア中央銀行とシンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)は17日、越境QRコード決済の正式な運用開始を発表した。両国のQRコード決済が連携することで、旅行者の支払いの利便性が向上するほか、中小零細業者の商圏拡大につながることが期待される。
東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国間で、越境決済を強化する取り組みの一環。インドネシア中銀のペリー・ワルジヨ総裁とMASのラビ・メノン長官が同日、正式に運用開始を宣言した。
インドネシアの電子決済システムの統一規格「QRコード・インドネシア・スタンダード(QRIS)」とシンガポールの電子決済システム「NETS(ネットワーク・フォー・エレクトロニック・トランスファーズ)QR」が連携することで、消費者は加盟店が掲示するQRコードをスキャンし、両国で決済が可能となる。
2023年1~6月の両国間の旅行者数は、インドネシアからシンガポールを訪問した人が約110万人、シンガポールからインドネシアが約60万人だった。
インドネシア中銀とMASはまた、QRコード決済を含め、貿易、投資などの2国間の取引で現地通貨の使用を促進するための意向表明書に署名した。22年8月に結んだ覚書に続くもので、24年に実装を予定する。越境取引で、事業者の為替リスクや費用などを軽減することが期待されている。