11月23日は「ストレスオフの日」 この兆候あったらストレス影響かも、福井県内の専門家が対処法解説

心と体の健康づくりをアドバイスしている山中雄大さん(右)と青木優加さん=福井県敦賀市
自己分析ツールを使って自身の特性を知ることで強みを認識する方法もある

 仕事や日常生活で感じるストレス。抱え込むと心身に不調をきたす原因になるが、現代社会で避けて通ることはなかなか難しい。ストレスの根源と向き合って原因に気づき、理解することで受け入れるサイクルを作ることが必要だと専門家は指摘する。「ストレスオフの日(11月23日)」に合わせて、頑張る自分を見つめ直しませんか―。

■ストレスはなぜ生じるの?

 ストレスケアの重要性を訴えるのは、「養生デザイン」のユニット名で心と体の両面から健康づくりをアドバイスしている山中雄大さん(48)=福井県若狭町=と青木優加さん(47)=同敦賀市。それぞれ理学療法士や健康経営エキスパートアドバイザー、漢方カウンセラーなどの資格を持ち、企業や自治体で研修を行う。

 山中さんはストレスを感じている現代人は多いとし「正しくケアしなければ元気に働くことができなくなり、組織が崩壊する。危機感をもつ組織は増えている」と警鐘を鳴らす。

 そもそもストレスは「不安や考え方の違い、環境の変化などにより自然に生じるもの」(山中さん)で、人間関係や気温差、季節の変わり目などがこれに当たる。一方、ストレスがあるからこそ、リラックスしたり心地よさを感じたりすることもでき「適度に感じられるよう軽減して、上手に付き合っていくことが必要」と話す。

 カラオケやお酒を楽しむなどの解消法もよいが「ストレスは再び蓄積されていく。何が原因なのかという根本に目を向けてほしい」と強調する。

■心身のサインに注意

 ストレスを抱え込むと、体重や食欲の増減に加え、眠気やだるさが取れなかったり、物事を決断できなくなったりすることも。肩こりやイライラ感など、心身のサインが比較的軽いうちに気づくことが必要だ。

 仕事中なら、向いていない業務に取り組んだり、残業で勤務時間が変わったりするとストレスを感じやすい。相手と考え方が違うなど、自分の思い通りに物事が進まない時も要注意だ。

 ストレスに気づかない人は多く「わざわざ人に相談することじゃない、みんな我慢していることだと捉える人は特に注意が必要」と青木さん。特に男性は、自己犠牲を良しとしがちなため「つらさを感じた時に話せる人や場所をつくることが大切」と呼びかける。

■ストレスを軽減するには

 ストレスを軽減するためには「まず自分を知るところから始めましょう」と山中さん。普段の生活を振り返り、自分の強みを認識することで「どうすれば機嫌良く過ごせるかを把握してほしい」と話す。

 山中さんは、日常の中で「怒りやいらだちを感じるのは普通なこと」としつつ、なぜ腹が立つか根本の原因を考えることで「どこまでなら許せるか把握し、自分の許容範囲を作れば必要以上に怒りを感じる必要はなくなる」と指摘する。考えや相性が合わないことを「違い」と認識し受け入れることも大切で、「違いはお互いの強みでもあり、受け入れることで補完関係をつくることもできる」とする。

 ネット上で利用できる自己分析ツールを使うのも一手。考え方や行動パターンから責任感や協調性などの強弱を測定し、強みを見える化することができる。

⇒【写真】自己分析ツールで自分の特性をすることで強みを認識する方法も

 青木さんは、体調に影響が出てきた場合にはカウンセリングも視野に「第三者の力を借りることもためらわず心身を整えてほしい」とアドバイスしていた。

心と体のストレスサインに注意

▼体のサイン 頭痛、肩こり、腰痛、ため息やげっぷ、おならがよく出る、下痢、便秘、息を深く吸いにくい、食べると眠くなる、ぐっすり眠れない、目が疲れやすい

▼心のサイン イライラする、怒りっぽい、ちょっとしたことで驚く、やる気が出ない、我慢することが増える

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