芸人として生かしてくれた地元に恩返し 栃木と群馬に扮してコント ワンクッション(佐野・群馬県桐生市出身) 【PLAY とちぎYouTube】

地元を題材にした動画投稿を続けるワンクッションのたべいさん(左)と佐藤さん

 芸歴20年の凸凹お笑いコンビ・ワンクッション。ツッコミのたべい(本名・田部井大(たべいだい))さん(39)=佐野市出身=は身長178センチ。ネタ作りや動画編集などを担当する司令塔だ。ボケの佐藤涼平(さとうりょうへい)さん(40)=群馬県桐生市出身=は150センチ。コミカルな動きやギャグで老若男女から愛される。

 2021年4月、ユーチューブチャンネル「群馬と栃木のおとなり劇場」を開設した。新型コロナウイルス禍の真っただ中、お笑いライブやイベントは軒並み中止に。自分たちらしく活動を発信しようと始めたのが、地元を題材にした動画投稿だった。

 専門学校で出会い、03年にコンビ結成。大手芸能事務所に所属し、各局バラエティー番組に出演した。たべいさんは「当時の目標はナインティナインさんやキングコングさん。売れようと漫才を作り続けた」と振り返る。

 最も苦しんだのは09年春~11年秋ごろ。事務所を離れ路上ライブなどで腕を磨きながらオーディションに挑むが、結果は出ない。佐藤さんは「解散を申し出たのが09年。だが辞めるきっかけすらないほど、何もできなかった」

 転機は11年10月、桐生市で開催した初の単独ライブだった。地元メディアなどへ地道にPR。250席超が完売した。

 都内のライブとは反応や好まれる内容は大きく違った。戸惑いもあったが、たべいさんは「芸人として生かしてくれたのは栃木県と群馬県。お笑いで恩返しがしたい」と決意。佐藤さんも「親しんでもらえるよう、触れ合いをより一層大切に」と意識が変化した。

 16年からそれぞれの地元へUターン。たべいさんは「ぐんま芸人劇団」を立ち上げ、佐藤さんは同市内で駄菓子屋を開店した。

 「おとなり劇場」では出身県のお面を覆った2人が「栃木さん」「群馬さん」に扮(ふん)し、コントのような1分半ほどの掛け合いを披露する。

 言葉や食、名所に著名人…。幅広い分野の動画を1週間で5本公開。題材探しには下野新聞なども活用する。出身地を卑下する自虐ネタは使わず、短い展開にもオチは忘れない。

 県外のチャンネル登録者も多く、コメント欄には全国各地の「あるある」が並ぶ。たべいさんは「動画作りが漫才やコントに生きることもある。両県に興味を持ってくれたら」。恩返しはまだまだ続く。

◆ワンクッション◆

たべい 1983年11月28日生まれ。佐野市出身。

佐藤涼平 1983年8月19日生まれ。群馬県桐生市出身。

 栃木、群馬の両県を拠点に活動。桐生ふるさと大使。ユーチューブの「群馬と栃木のおとなり劇場」の登録者数は2.5万人(22日現在)。

「おとなり劇場チャンネル」はこちら
佐藤さんの個人チャンネル「ワンクッションさとちゃんねる」はこちら

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動画の台本を手に持つワンクッションのたべいさん(左)と佐藤さん

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