グランピング×ユニバーサルデザイン 「Flat Glamping Nagasaki(フラットグランピングナガサキ)」誰もが楽しめる施設に 12月開業

「誰もが安心して外遊びを楽しんでほしい」と語る宮田代表(右)と支配人の松林大和さん=長崎市長浦町

 障害児通所支援事業所を運営する長崎市のユースリーは12月、同市琴海地区に宿泊施設「Flat Glamping Nagasaki(フラットグランピングナガサキ)」を開業する。医療介護の知見を生かし敷地内全体でユニバーサルデザインを取り入れ、健康な人も障害のある人も、安心して外遊びできるグランピング施設を目指す。
 同社は、医療的ケアなど障害のある子どもたち向けの児童発達支援・放課後等デイサービス事業所を市内で運営。グループ会社では訪問看護ステーションも手がける。宮田貴史代表も理学療法士。利用者などから「障害があるので外遊びに出かけるのは難しい」との声を耳にしていた。「障害を理由に楽しむことを諦めないでほしい」。そんな思いで宿泊業に挑戦した。
 医療介護職が意見を出し合って空間設計した施設は、同市長浦町の大村湾を一望できる山の中腹。白いドームテントが4棟並び、自動車が直接乗り入れできるなど移動の負担を減らす工夫を凝らす。全てトイレ・風呂を備えた別棟が直結し、うち2棟は車いすやオストメイトの人への対応やリクライニングベッドも完備。常駐の理学療法士のスタッフが必要に応じ動作をサポートするほか、ベッド柵や点滴スタンドなども借りられる。
 こだわったのが部屋の温度調節だ。同社が昨年、医療的ケア児がいる家庭などを対象にアンケート。「体温調節が難しい」ことが屋外活動を制限している理由として挙げられ「空調設備が整っていれば利用を考える」といった声もあった。これを受け、テントには冷暖房も完備し、アウトドア要素と快適性も追求した。
 施設では宿泊以外に、たき火やバーベキュー、まき割りや木工などの体験メニューも用意する。宮田代表は「『アウトドアに行けたんだからどこにだって行ける』という勇気を与えられる施設にしたい。どんなハードルがあっても楽しむことを諦めない社会を長崎から提案していきたい」と話す。
 12月16日午前10時~午後4時、現地でオープニングイベントを開く。参加や宿泊予約は施設ホームページから。

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