Jリーグが開幕した1993年からおよそ30年、サンフレッチェの歴史を見届けてきた「エディオンスタジアム=ビッグアーチ」。
このスタジアムでの試合は25日がラストでした。この節目にサンフレッチェの歩みを振り返ってみると、オフィシャルマスコットの姿が大きく変わりすぎていることに気がつきます。
当初は近寄り難い雰囲気さえ… 度々“整形”後に今の顔に
25日のエディオンスタジアムでの最終戦。ハーフタイムで機敏に踊り、会場を盛り上げていたのは、サンフレッチェのマスコット「サンチェ」です。
サンチェは、中国山地に生息するツキノワグマ。クマ年齢で19歳の男の子です。
SNSのフォロワーは3万人、サポーターから写真撮影も求められる人気者ですが、実はこの30年で姿が大きく変わっているのです。その変貌ぶりを振り返ってみましょう。
1995年
まずは、1995年。現在の日本代表監督森保一選手を先頭に、サンフレ戦士と入場したサンチェです。
マスコットとしては近よりがたささえあります。
1997年
続いて2年後の1997年。当時、日本代表にも選ばれた高木琢也選手と一緒に写真に写るサンチェです。
ちょっと顔がパンパンに腫れ上がっていますが…かわいらしさは増えた気もします。このころからマスコットは「サンチェジュニア」と名乗るようになります。
森保監督となりJ1年間初優勝したときのサンチェは…
2004年
降格から1年でJ1復帰した2004年。サポーターとふれ合う応援イベントに登場したサンチェです。
白目の割合が増えていませんか?なんだか少し痩せたような気もします。
2012年
2012年、森保新監督になり、みごとJ1年間初優勝したときは…
まだ顔は変わっていません。
2014年
リーグ連覇も遂げた森保体制3年目、青山敏弘キャプテン率いるメンバーと写真撮影に並ぶサンチェです。
ようやく今と同じ姿になりました。ずいぶん愛らしく、キャラクターとして「できあがった」ようです。
なぜ何度も“整形”したの? かつての飼育員に話を聞くと…
この変化について、かつてサンチェを飼育していたという男性に話を聞ききました。
サンフレッチェ広島 元サンチェ飼育員 吉武雄太 さん
「やっぱり時代時代に即した姿形がきっとあると思っていて、前回整形をしたタイミングで、『ゆるキャラブーム』でかわいらしい姿形が好まれてたいっていうのもあるので。
(Q.何回くらい整形している?)
4~5回はいじっているとは…それに少しずつプチ整形もやっていると思います。」
包み隠さず、サンチェは「整形」していると明かしてくれました。整形効果もあり、Jリーグのマスコット総選挙では下位クラスから最高1位に順位が跳ね上がりました。
2013年:32位→2014年:2位→2015年:1位
並べてみるとこの変わりぶり…。なお、クラブ発足当時の「サンチェ」と1997年頃に「サンチェジュニア」と名乗り始めたキャラクターは、なんと別人ならぬ、「別クマ」だというのです。
サンフレッチェ広島 吉武雄太 さん
「おそらく親子だとは思っています。でもサンチェがSNSで『じっちゃん』と呼んでいるので、おじいちゃんかもしれないですし、ちょっと今となっては真相は闇の中ですね」
公式HPでは、サンチェは「両親とは生き別れ」ということになっています。
サンフレッチェ広島 吉武雄太 さん
「(Q.サンフレッチェの方はキャラクターに対して柔軟というか適当というか…)
適当だったんでしょうね。ただ、それがこのままじゃだめだなというのもあって今のサンチェジュニアに関してはしっかりやろうというコンセンサスの元、ここまで来ています」
今のサンチェからのメッセージ
エディオンスタジアムでの最終戦、サンチェは私たちに会いに来てくれました。
サンチェが書いた紙には…
サンチェからのメッセージ
『10年前のことをいまさらひっぱりだしてくるのはずるい』
来シーズンに向けてもメッセージをくれました。
サンチェからのメッセージ
『エディオンスタジアムからエディオンピースウィングへおおきなかけはしをかけるよ!』