「キャトル宮古」2025年度に解体 壁の崩落対策で前倒し

 

 宮古市は、市中心部の旧商業施設「キャトル宮古」を2025年度に解体する方向だ。建物の外壁の一部が崩落し周辺への危険があるとして、応急対策を含めて前倒しで対応する。跡地の再開発の具体化はこれからで、新たな「宮古の顔」の形が見えるのは26年度以降となりそうだ。

 解体するのは鉄骨造り6階建ての旧店舗(延べ床面積1万544平方メートル)。市が昨年末までに権利取得したが、今夏以降、外壁やバルコニー天井のパネルの一部が隣接する市営駐車場などに落下したのが確認された。当初は再開発の内容を固めた上で解体する予定だった。

 市は解体費用算出のための設計費2200万円と、応急的に外壁の危険箇所を取り除く経費90万円を盛り込んだ23年度一般会計補正予算案を、12月4日開会予定の市議会12月会議に提案する見通し。解体工事費は億単位とみられ、国の空き家対策総合支援事業(補助率40%)の活用を見込む。立体駐車場も後に解体する方向だ。

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