美しさは心地よさから やましんレディースセミナー、ダイエット料理研究家鈴木沙織さん(東根)講演

 各界の第一線で活躍する女性を講師に迎える「やましんレディースセミナー」(主催・山形新聞、山形放送)の2023年度第6回例会が29日、山形市のやまぎん県民ホール(県総合文化芸術館)で開かれた。ダイエット料理研究家の鈴木沙織さん(東根市)が「本当の美しさって? 自分らしく健やかでいるための料理と暮らしと心のヒント」と題して講演。50キロの大幅減量をした経験などから「目指す体形や幸せの価値観は人それぞれ。心地よく感じることを大切にすれば、自然に美しさがあふれ出てくる」と語った。以下は講演要旨。

 生まれも育ちも東根市。関東圏で働き、仕事のストレスや1人暮らしの解放感などから1日7食取り、体重97キロまで太った。医師に「早死にする」と言われて41キロまで減量したが、ホルモンバランスを崩し治療に苦しんだ。痩せたいからといって、数値や外見にこだわってしまうと、のちのち好ましくない状態になることもある。自分にとって何が幸せで何が健康なのか、自分の生活と将来を考えてダイエットをする必要があった。最終的に47キロまで体重を増やしたが、この経験が本当の美しさって何?という問いにつながった。

 大幅減量に成功した経験を生かし、現在は料理研究家として、ヘルシーなレシピ開発などの活動をしている。健やかでいるために基礎代謝を下回らない、野菜やタンパク質を積極的に取る、無理しない、頑張らないことを大切にしている。料理は旬の食材や昔ながらの調味料を使う。

 幼少期に病気で食事制限をしていたため、普通と違うといじめられた。ダイエットの経験も重なり、普通の意味や本当の美しさ、健康、幸せについて考え、「周りと同じであることが普通なのか」「普通が幸せなのか」と疑問に感じた。そもそも一人一人違う環境に生まれ、違う体を持って違う状況で生活している。本当の美しさや幸せは誰かの価値観の押しつけで決まるものではない。

 実は(山形市のやまがたクリエイティブシティセンターQ1内への)カフェのオープンに向けて試食が続いたため太り、今は47キロではない。でもそれが普通の私。仕事があるときは減らすし、旅行に行けば太る。プラスマイナス5キロなんて当たり前。私にとってはそれが普通で幸せでもある。好きな料理ができ、好きな食を楽しむことができる。自分が何を一番求めているのか、心地いいのかを考え、自分の生活や行動を決めていくのが大切だと思う。

 痩せていることが美しいという風潮は確かにあるような気がする。でも自分が何を求めているのか心に問いかけてほしい。周囲や世間の価値観に惑わされずに、自分軸を持ってほしい。皆さん毎日頑張っていると思うので、自分に自信を持って、自分を認めて、褒めて、愛してあげてください。自分が本当に心地よく幸せだと感じることを大切にすれば、皆さんの持っている美しさはあふれ出てくる。

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