しらせ、昭和基地へ出航 本紙記者、南極へ・今月中旬到着予定

港を離れ、見送りの人に手を振って応える南極観測隊員=30日午前10時17分(現地時間)、オーストラリア・フリマントル

 【フリマントル(オーストラリア西部)=報道部・小田信博】第65次南極観測隊(橋田元(げん)隊長)を乗せた観測船「しらせ」(斎藤一城(かずき)艦長)は30日、補給のため寄港したオーストラリア・フリマントルを離れ、南極・昭和基地に向けて出航した。海洋観測を行いながら南下し、12月中旬に到着する見込み。

 この日は快晴となり、絶好の出港日和となった。「しらせ」は午前10時(日本時間同11時)ごろ、タグボートにけん引されて離岸。岸壁には観測隊を見送ろうと、多くの日本人らが集まり、隊員たちは甲板から手を振って応えた。

 2度目の越冬に臨む佐藤丞(じょう)さん(59)=国立極地研究所、盛岡市出身=は「経験者として、初めて南極に行く人が楽しく、仕事がやりやすいようにサポートしたい」と話していた。

 観測隊は11月24日に空路でオーストラリア入りし、翌25日に「しらせ」に合流した。観測隊は今後、南下を続けながら海洋観測を行った後、西に航路を取って昭和基地を目指す。

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