「環境省はもっとしっかりして」リニア問題めぐり川勝平太知事が電撃訪問 静岡県は論点を「南アルプスの環境問題」へシフト

南アルプスの自然保護について、環境大臣としての意見を示してほしい。静岡県の川勝平太知事は、リニア新幹線の工事をめぐり、国の有識者会議に参加している環境省を対して、要請したことを12月6日の県議会で報告しました。

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<川勝平太知事>
「昨日は私が環境省を訪問し、報告書案に対する見解を、お示しして頂くことと、環境影響評価書に対する環境大臣意見が報告書に反映されるよう、積極的に働きかけていただくことを要請してまいりました」

12月5日夜、環境省を電撃訪問した川勝知事。目的は国のリニア有識者会議に参加している環境省がどのような見解を持っているかを示すよう伊藤信太郎環境大臣あてに要請書を提出するためです。

<川勝平太知事>
「国の有識者会議が生態系について(報告書をまとめる)最終段階ということで、(成案になる前に)環境大臣としてのご意見が成案に盛り込まれるようにと思って参りました」

有識者会議は11月7日、報告書案を大筋で了承しましたが、川勝知事は「十分な議論がされていない」と述べていました。

12月5日に提出した要請書では、2014年、当時の石原環境大臣が「南アルプスの自然環境を保全することは我が国の使命でもある」と発言したことを挙げ、国の有識者会議の報告書案に対し「当時の環境大臣の意見が適切に反映されているとは思えない」とし、見解を示すよう求めています。

<川勝平太知事>
「ものすごいトンネルを掘ってアルプスを痛めつけるわけですね。環境省、もっとしっかりしてくださいと。日本の環境行政の使命って言ったでしょう。その言葉に偽りがあってはいけないと思いますね」

仮に、環境大臣の意見が十分に反映されないまま報告書がまとまれば、静岡県の専門部会で改めて議論を続けるとしています。

水問題は解決の道筋が見えていますが、論点は環境問題へとシフトしていてリニア開業の見通しは立たないままです。

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