「白楊豚」問題で渡清(宇都宮)に行政指導 栃木県、食品表示法で 別の豚納品し販売

 栃木県高根沢町上柏崎の道の駅たかねざわ元気あっぷむらで宇都宮白楊高の「白楊豚」として別の豚肉が納品、販売されていた問題で、県が食品表示法に基づき、納品していた宇都宮市東宿郷5丁目の食肉加工卸「渡清」に対し行政指導したことが6日までに、関係者への取材で分かった。県は少なくとも9300キロ余りの豚肉を白楊豚と偽って表示していたなどとして、再発防止の措置を講じるよう同社に求めた。指導は11月30日付。

 関係者によると、県は調査の結果、同社が少なくとも2020年3月~23年10月の間、白楊豚と表示して別の豚肉9321キロを納品していたと判断。白楊豚の使用をうたった加工食品では輸入豚肉も使用しているのに、その使用割合を示さなかったとした。

 さらに同社が原産地などの表示の根拠となる製造記録を作っておらず、表示内容が本物かどうか証明できないとも認定した。

 その上で県は、食品表示に対する意識の欠如や管理態勢の不備などを指摘。食品表示に関する責任の所在を明確にしたり、チェック体制を定期的に検証したりして、必要な改善を行うよう指導した。全役員と社員に食品表示制度の教育を行うことなども求めた。

 行政指導を受け、同社は下野新聞社の取材に「コンプライアンス(法令順守)を徹底し、一から出直したい」とした。今後、宇都宮白楊高を訪れ謝罪するほか、22日までに県へ再発防止策を提出するという。

 道の駅を所有する高根沢町は「道の駅と白楊豚の信用を回復するため、原因と責任の所在を追及しなければならない」と、今後の対応を検討しているとした。

 問題を巡っては、10月上旬に外部の精肉業者から「白楊豚の供給量と消費量に不整合があるのではないか」と道の駅に情報があり、道の駅が渡清に問い合わせて発覚した。道の駅指定管理者の塚原緑地研究所は同27日、問題を公表。県は10月中旬以降、渡清に立ち入り調査などを行っていた。

「白楊豚」として別の豚肉が納品、販売されていた道の駅たかねざわ元気あっぷむら

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