発言の訂正ではなく・・・静岡県の川勝知事が県議会で謝罪 文化施設構想の白紙を表明 議会との溝は深まるばかり

静岡県の川勝平太知事が、議会に諮らずに新たな文化施設の構想を外部に語った問題で、県議会は12月6日、知事に発言の訂正を求める決議案を全会一致で可決しました。これを受け、川勝知事は謝罪した上で、文化施設の構想を白紙にすることを表明しました。

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<滝澤悠希キャスター>
「まもなく、今年最後の県議会が始まろうとしています。1年が終わろうとしていますが、知事と議会の間の深い溝が埋まらない状態が続いています」

6日の静岡県議会で冒頭に提出されたのは…。

<静岡県議会 中沢公彦議長>
「発言を速やかに訂正するとともに、知事としての発言の重みを十分に意識し、今後は決して、軽率、不用意な発言をしないよう改めて求める」

新たな文化施設の構想をめぐる知事の発言について訂正を求める決議案です。

<静岡県議会 中沢公彦議長>
「可決することに異議ありませんか」
「異議なし!」

決議案は、全会一致で可決しました。

<静岡県議会 中沢公彦議長>
「毎議会のごとく問題を起こしているのは大変遺憾ですので、厳しく申し入れします」

議長は直接、決議文書を知事に手渡しました。

ことの発端は2023年10月、川勝知事が外部との懇談会で三島市の国有地に東アジア文化都市の発展的継承センターを作る構想を語り「詰めの段階」などと発言しました。

知事から何も聞かされていなかった県議会は猛反発。
調査をした上で川勝知事に発言の訂正を11月29日に申し入れましたが…。

<静岡県議会 西原明美総務委員長>
「訂正をしていただきたいという申し入れ」

<川勝平太知事>
「訂正する程のことではない、とりあえず提案した」

川勝知事はこの申し入れを受け入れず溝は深くなるばかり。
そんな中、開会した県議会12月定例会の初日。

<川勝平太知事>
「今回の私の発言は、東アジア文化都市のレガシー創出に向けた思いを語ったものであり、発言の訂正はしないが…」

<県議>
「おかしいだろ!」

議場で知事が訂正しないと明言したことが関係悪化に拍車をかけました。

<県議>
「もうちょっと闘う姿勢をみせないとだめ!なめられてるんだよ、完全に!訂正させなきゃだめ!」

最大会派の自民改革会議が呼びかけたことをきっかけに県議会は全ての議員の総意として発言の訂正を求める決議案を可決。県議会としての意思を表明しました。

これを受け、川勝知事が謝罪しました。

<川勝平太知事>
「誠に申し訳なく思っています。それゆえ、心よりお詫び申し上げます。今回の三島市内の東アジア文化都市の継承拠点の件は、一旦立ち止まり、白紙といたします」

知事は県議会が求めた「発言の訂正」ではなく謝罪した上で「構想の白紙」を表明しました。

<植田麻瑚記者>
「知事、訂正と謝罪はどちらが重いんでしょうか?」

議会後、記者の質問に川勝知事は無言を貫きました。

<自民改革会議 増田享大代表>
「総務委員会で全会一致で申し入れをした段階でこういった話になっていればこういうことにはなっていなかったわけで、改めてしっかりと気を付けていただきたい」

県議会では、7日以降も知事の政治姿勢が問われることになります。

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