再開発提案の模型に光 となみ駅前商店街、来年3月に撤去 10年前に大学生製作

となみ駅前商店街の再開発を提案して10年前に製作された模型=砺波市表町

  ●あらためて存在周知、まちづくり関心の一助に

 砺波市のとなみ駅前商店街の再開発を提案した模型が来年3月に撤去される。10年前に商店街の活性化を図ろうと当時の大学生が再開発のモデルケースを考え、提案用に製作した模型。再開発は実現しておらず、空洞化が進む中、商店街関係者は撤去を前にあらためて模型の存在に光を当て、市民がまちづくりに関心を持つきっかけにしようとPRしている。

 撤去されるのは、現在の商店街の原寸100分の1の模型と、飲食店や図書館、医療機関を誘致する再開発モデルの模型。2013年11月に、当時の金沢工大生が研究の一環で商店街を調査し、モデルケースの再開発後の姿と見比べられるように精巧に作り上げた。高さ1.8メートル、幅1.5メートル、奥行き70センチの棚に入れ、現在まで商店街の一角にある車庫に展示されてきた。

 商店街で店舗を構える老舗天野餅店の4代目で、一級建築士事務所「建築文化研究室」主宰の天野一男さん(69)が来春に古希を迎えるのを機に、これまで所有、保管してきた模型の撤去を決めた。

 商店街は砺波駅前の主要地方道砺波・小矢部線沿いの延長約200メートルの両側に約50年前に立地された。しかし、大型商業施設の進出に伴って閉店が相次ぎ、現在は一部がシャッター通りとなるなど、現状のままでは衰退の一途という。

 天野さんはこうした状況を憂い、再開発を目指した模型の存在をあらためて周知することにした。

 天野さんは「1人でも2人でも模型を見てもらい、自分のまちを考えるきっかけとなり、元気を出してまちづくりが動く一助になればと思う」と話した。

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