リニア中央新幹線 国の有識者会議が「環境保全」の報告書を国土交通大臣へ 議論の結論が出たことにJR東海や静岡県の川勝知事は

リニア新幹線の工事をめぐり、国の有識者会議は生態系などの環境保全についての報告書をまとめ、12月7日、会議の座長が国土交通大臣に伝えました。これにより、「水資源」と「環境保全」の議論の結論が出たことになります。

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国の有識者会議の中村太士座長は、7日夕方、斉藤鉄夫国土交通大臣のもとを訪れ、環境保全の報告書がまとまったことを伝えました。

リニア中央新幹線の工事をめぐっては、JR東海は2027年の開業を目指していましたが、静岡県は大井川の水量が減ることや南アルプスの生態系への影響を懸念して着工を認めていません。

静岡県とJR東海の議論を前進させるため、国が設けた有識者会議は、2020年から「水資源」と「環境保全」について議論を続け、「水資源」はすでに報告書がまとまっています。

そして「環境保全」についても報告書がまとまり、7日に国土交通大臣に報告されたことで、国の有識者会議の議論の結論が出たことになります。

<JR東海 丹羽俊介社長>
「環境保全の課題解決に向け、静岡県と静岡市などの関係者との双方向のコミュニケーションを図りながら環境保全措置やモニタリングなどに取り組んでいく」

JR東海の丹羽俊介社長は、7日の会見で、環境保全の対策について、丁寧に取り組む考えを改めて示しました。

一方、静岡県の川勝平太知事は、5日に急きょ、環境省を訪問。国の有識者会議に参加している環境省が、どのような見解を持っているかを示すよう、環境大臣あてに要請書を提出しました。

<川勝平太知事>
「環境省、もっとしっかりしてくださいと。日本の環境行政の使命って言ったでしょう。その言葉に偽りがあってはいけないと思いますね。すごく楽しみにしてます。どういう見解を環境大臣が出されるのか」

国交省の議論がまとまる中、川勝知事は次の一手として環境省に環境保全について見解を示すよう求めた形です。

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