長崎の大学1年・渡邊さん 被爆体験の朗読“デビュー” 「私もやりたいと思われるように」

被爆した女学生の体験記を朗読する渡邊さん=長崎市平野町、長崎原爆資料館

 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の朗読ボランティア「被爆体験を語り継ぐ 永遠(とわ)の会」が育成している若者朗読サポーターが9日“デビュー”した。緊張した面持ちで朗読した渡邊紗羽さん(18)=県立大1年=は「『自分もやってみたい』と思われるように頑張っていきたい」と決意を新たにした。
 同会は毎月9日、定期朗読会「9日を忘れない」を開催。4月、若い世代への活動継承を目指し「永遠の会 U-25」を新設し、渡邊さんと岩永陽美さん(17)=県立長崎南高2年=の2人が加入した。永遠の会のサポートや定期朗読会の司会のほか、10月から朗読する題材を決めて練習を重ねてきた。
 今月9日、長崎原爆資料館であった定期朗読会。岩永さんが参加できなくなり、渡邊さんと大塚久子代表(65)が当時、女学生や教師だった4人の被爆体験記を読み上げた。渡邊さんは約30人の聴衆を前に「聞いてもらっていることが分かり、落ち着いて気持ちを込めて読むことができた」。苦手だったせりふや擬音の朗読も「よくできた」と振り返った。
 U-25の活動開始から約8カ月、見えてきた課題もある。「朗読会に来るのは上の世代が多い。もっと大学生や若い人に聞いてもらえるよう考えたい」。“先輩”たちの背中を追いながら、次のステップを目指していく。
 サポーターは随時募集。対象は高校生から25歳まで。朗読経験は不問。問い合わせは同会事務局(電095.814.0055)。

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