ヒマワリの種付き風船 島原から1200キロをふわり 岩手の夫妻から連絡、栽培も

風船の発見地点の水田で、風船を手にする関さん夫妻=岩手県紫波町

 長崎県島原市宇土町の市立第四小(大槻浩二校長、189人)の全校児童が5日午後2時ごろ、ヒマワリの種入りの袋を結び付けて飛ばした風船の一つが翌日正午過ぎ、約1200キロ離れた岩手県紫波(しわ)町で見つかった。大槻校長は「横風もなく、高く上がった。強い気流に乗ったのかもしれない」と驚いている。
 12月の人権週間にちなみ、島原人権擁護委員協議会などが人権の花とされるヒマワリを島原、南島原両市の小学校で育ててもらい、収穫した種をメッセージとともに飛ばす取り組み。今年は第四小を含め計4校で実施した。

風船にヒマワリの種や手紙を付けて飛ばす児童ら=5日午後2時過ぎ、島原市立第四小

 紫波町は盛岡市の南にある農業地域で、米作や果樹栽培が盛ん。風船を見つけたのは同町の農業、関英明さん(56)と真智子さん(53)夫妻。英明さんが6日正午過ぎに水田を見回った際、風船が水たまりに浮かんでいるのに気付いた。種入りの袋には、第四小のメールアドレスと、4年の森本ひばりさん(10)の「いっぱいの花が咲くように植えてくださいね」と書かれた手紙が添えられていた。
 夫妻は、真智子さんが調理員として勤務する同町の温浴施設「ラ・フランス温泉館」を通じ第四小に連絡。真智子さんは「こんな遠いところまでよく飛んできた。ひばりさんには、やさしく思いやりのある子に育ってほしい」と話した。ヒマワリは真智子さんらが育て、花が咲いたら温浴客に見てもらう予定。
 社会の授業で都道府県を学習中の森本さんは「大切に育ててもらえうれしい。岩手県についてもよく勉強したい」と目を輝かせた。
 同校の風船が届いたという連絡は、高松市、福井市、富山市からもあったという。

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