済生館の建て替え先行、山形市が方針 旧大沼とは一体整備せず

七日町大通り側から旧大沼エリアを望む再開発イメージ(山形市提供)

 山形市は11日、旧大沼山形本店と市立病院済生館一帯の再開発に関し、2030年度に法定耐用年数を迎える済生館の建て替えを先行させる基本方針を市議会に示した。当初は一体的な整備も検討していたが、旧大沼と合わせて整備する周辺ビルの地権者との調整に時間を要するなどの理由から、済生館を先行させる必要があると判断した。

 市道を挟んで旧大沼の西側にある済生館に関しては昨年、救急外来や療養環境向上を目指し、延べ床面積を拡大するなどの新病院整備基本構想が策定されている。敷地北側の親水広場などを活用する方針で、建設中も現施設で診療を継続する。1992年の完成で、設備の老朽化や救急室の狭さなどが課題となっており、法定耐用年数を見据え事業を進めていく。

 一方、旧大沼周辺の再開発エリアは七日町大通り沿いの大沼を含む六つのビルがある。敷地面積は計約7600平方メートルで、それぞれ建築から30~50年以上が経過している。

 地権者は旧大沼を所有している市都市振興公社など16個人・団体。今後、市は地権者でつくる協議会と、地元の町内会や商店会、有識者で組織するまちづくり委員会(仮称)をそれぞれ年度内に立ち上げ、3、4年後をめどに施設に求められる機能などを盛り込んだ都市計画などを決定する。早ければ27年度にも旧大沼などの解体と、着工を見込んでいる。

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