【韓国】国内での尿素生産を検討、中国依存脱却へ[化学]

中国から韓国への産業用尿素の輸出通関が中断されていることに関連し、韓国政府は国内で尿素を生産する案を検討することが分かった。また、中国以外の国から尿素を輸入する場合は、政府が2024年4月まで海上運賃の一部を支援する。

秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政相は11日、このような内容からなる対策を発表した。韓国では現在、尿素の全量を輸入に頼っており、今年1~10月における中国製の割合は9割に達している。11年にサムスン精密化学(現ロッテ精密化学)が関連事業を中断して以来、国内で尿素は生産されていない。

尿素の生産については収益性の低さや生産過程において発生する環境汚染が問題視されているが、対中依存度が高いことを考慮して、国内での生産の必要性が高いと判断したもようだ。韓国産業通商資源省は24年1月にも、尿素生産施設構築の妥当性の検証に向けた研究を推進する計画だ。

政府はまた、尿素やリン酸アンモニウムなど中国からの需給不安が高まる品目について、24年まで関税割り当てを延長することを決めた。インドネシアやサウジアラビア製の尿素は無関税での輸入が可能になる。

■政府が供給網の安定化支援

政府は供給網政策を総括するコントロールタワーとして「供給網安定化委員会」を設置するほか、「供給網安定化先導事業者」に選定された企業については、韓国輸出入銀行に新設する「供給網安定化基金」を通じて各種の支援を行っていく方針だ。

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