若い発想力アピール 本社提唱「5G・IoT・AIコンソーシアム」、県高校工業・情報科合同研究発表会

県内10校の高校生がデジタル技術を使った研究成果を披露した県高校工業・情報科合同研究発表会=山形市・山形テルサ

 5G・IoT・AIコンソーシアム主催の県高校工業・情報科合同研究発表会が12日、山形市の山形テルサで初めて開かれた。県内10校の生徒がデジタル技術を活用して取り組んだ研究や学習の成果を発表した。

 同コンソーシアムは第5世代(5G)移動通信システムやモノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)による地域活性化を目的に、山形新聞社が提唱して2020年7月に設立された。発表に先立ち、寒河江浩二山形新聞会長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)が「若い発想力と探究心を持って取り組んでいる活動を、存分にアピールしてほしい」とあいさつした。

 デジタル人材育成に向け、工業科や情報科のある高校の生徒の成果発表、会員企業との交流を目的に県と共催し、県高校校長会工業部会、県教育委員会の協力を得て開いた。酒田光陵▽鶴岡工業▽米沢工業▽長井工業▽新庄神室産業▽村山産業▽寒河江工業▽創学館▽山形明正▽山形工業―の計38人が登壇した。

 対話型生成AIによる酒田ラーメンの紹介ツール制作、ゲーム要素を取り入れた英語学習用アプリ開発、IoTセンサーを使ったスマート農業、ゲーム「マインクラフト」を使った作曲などの研究があった。体育祭の得点表示と学校祭のスライド上映にデジタル機器を役立てたケースや、仮想現実(VR)を用いて校舎の保存に取り組んだ発表もあった。

 活用したデジタルツールは幅広く、社会課題や地域課題を取り上げ、解決のために身に付けたスキルを生かした研究が多かった。SDGs(持続可能な開発目標)の観点を取り入れた例もあった。

 Google for Education(グーグル・フォー・エデュケーション)の杉浦剛営業統括本部長や、同コンソーシアム常任幹事の清野寿啓山形パナソニック社長、武田良和ジョイン社長、同監事の岩瀬義和デジコンキューブ社長がコメンテーターを務め生徒に改善点などを助言し、神原洋県高校教育課主任指導主事が総括した。発表後は杉浦氏が生徒向けに講話した。

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