神通大橋 24年度架け替え着手

架け替えの方針が示された神通大橋=富山市内

  ●上流側、27年以降に工事 期間15年、100億円想定 期間中は対面通行

 富山市は来年度、神通川に架かる神通大橋のうち、上流側の架け替えに着手する。市が管理する橋では最大規模で、富山駅周辺と五福地区を結ぶ重要な幹線道路に位置付けているが、架設から60年以上が経過し老朽化が進んだため。設計などを経て2027年度ごろから工事を始め、事業期間は最短で38年度までの15年間、事業費は約100億円を見込む。工事中は下流側の橋を対面通行とすることを検討している。

 14日の市議会建設委員会で市側が説明した。

 神通大橋は長さ約426メートルで、進行方向ごとに2車線の橋が並行して架かり、1日に約2万4千台が通行する。上流側は1956(昭和31)年、下流側は69年に完成した。上流側は特に老朽化が目立ち、2020年度の点検では鋼材の腐食やコンクリートのひび割れなどが確認され、早期に措置が必要とされていた。

 架け替えでは幅員を現在の7メートルから12メートルに広げ、2車線に加え歩道を新設する。9基ある橋脚を減らし、豪雨時に橋が流されるリスクを低減するなど安全性を高める。用地買収を最小限に抑えるため、まず上流側の橋を撤去し、同じ場所に新たな橋を整備することを想定している。

 工事に伴い下流の橋を片側1車線とする場合、通行車両の混雑が懸念され、市は設計などを進める中で対応を検討するとした。

 市によると、上流側の橋は設計荷重が現行の基準と比べて低く、車両の通行による劣化が進みやすい。耐震基準も満たしていないという。市は橋の架け替えと、補修による長期の維持管理の経費などを試算し、架け替えが望ましいと判断した。工事は河川管理者の国土交通省に委託し、補助を受けて行う見通し。

  ●下流側「状況みて」

 下流側の橋も架設から54年が経過しているものの、幅員が12メートルあり、設計荷重も上流側と比べ高いため、当面は維持する方針。下流側の架け替えについて担当者は「上流側の架け替え後、交通量や劣化具合など状況をみて判断する」としている。

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