マツダスタジアムや旧市民球場時代もテレビ中継でバッターボックスの後ろに、共通して映っているのは、同じ企業名です。府中市に本社を置く、リョービという会社です。高い精度の鋳物を短時間に大量生産する世界的なダイカストメーカーです。今月で創業から80年…。リョービの浦上彰社長に聞きました。
小林康秀キャスター
「やっぱりカープファンなのですか?」
リョービ浦上彰社長
「広島県人にその質問をするのは愚問だと思いますが」
小林キャスター
「大変失礼しました。ネクタイも今日は真っ赤ですもんね。一応確認で、当然だと思いますが」
浦上社長
「実は違うんですという人もいますからね」
カープ中継では、ピッチャー・バッター間の映像に常に映りこむおなじみのロゴ。もとの市民球場時代から広告スポンサーとしてチームを支えてきました。
浦上社長
「元々はおそらくコンシューマーグッズをやっていた関係で拡販っていう目的が多くて」
以前は釣り具やゴルフクラブも生産していたリョービ。消費者に会社の名前を知ってほしいことがきっかけでしたが。
浦上社長
「あれを見たからってことで採用の際とか就職の際とかにリョービに興味を持っていただくっていう学生さんも少なからずいらっしゃるなって感じ」
会社の事業内容はこれまで変化してきました。11月には、会社創立80年を記念した式典が行なわれました。その会場には、生産してきた製品が並べられていました。
小林キャスター
「釣り具は結構なじみのある方、すごく多かったんじゃないかと思うんですが」
浦上社長
「これはアメリカの会社に納入していた訳ですが、これも円安の1ドルリールと称しまして当時ですね360円として当時リョービの釣り具ではなくお客様向けの釣り具という製品もやっていました」
小林キャスター
「リョービさんってゴルフクラブっていう風に思われる方結構います」
浦上社長
「エポックメイキング的なのがユーティリティクラブです。違うゴルフ用品メーカーにいらっしゃった方が、作りたいのだが商品企画としてボツになってた状態だったアイデアを当社で商品化したらあたったのです」
浦上社長
「意外に思われるのは多分このあたりだと思いますが、カメラのミノルタさんのカメラを一時期組み立てさせてもらったりしました」
レコードプレイヤーのターンテーブルなどは今でも生産しているそうです。またソウルレッドの「カープドアクローザー」も販売しました。
「アルミで未来を軽くする」
リョービは現在「ダイカスト」「建築用品」「印刷機器」の3部門事業を展開していますが、これまで展開した様々な製品は、創業時から続く主力の「ダイカスト」が支えています。ダイカストとは、金型にアルミニウムなど溶かした金属を流し込んで精度の高い鋳物を作る技術で、自動車や家電製品などさまざな製品に採用されています。
リョービのダイカスト製品は高い技術力が評価され、自動車メーカーだけでも国内外様々なメーカーの自動車に採用されています。創業当時から貴重で軽量なアルミニウム合金などを使った複雑な形状の鋳物の生産を続けてきました。
浦上社長
「特にアルミダイカストに関しては、リサイクル性に優れるだとか、軽量化っていうことでまだまだ使っていただけるポテンシャルがある商材というか製品だと思っています。時代としては追い風にはなっていると思っています」
時代は大きく変わり、自動車業界はEVシフト。航続距離を伸ばすためより軽くて耐久性の高いアルミパーツを作るダイカスト技術の重要性は増してきています。リョービは、国内のダイカスト事業者では初めて、一体成形して大型の部品を作る「ギガキャスト」と呼ばれるマシンを導入します。この機械を使えば、自動車の部品数を大幅に減らすことができます。
浦上社長
「中国では正確な数字は掴めていませんが50台くらいいろんな会社さんで使われている」
その一部はアメリカのEVメーカーテスラのボディが作られているといいます。
浦上社長
「我々にそれをしろと言われてもまず装置設備がないので、知っておかなか行けないという位置づけで」
式典が行なわれたこの日は、、社員1200人が参加し、記念ロゴの発表や、黒田博樹さんのトークショーが行なわれ、80年という節目に「アルミで未来を軽くする」というフレーズに今後に向けた思いが込められました。
浦上社長
「自動車の軽量化に寄与しようだとかってのももちろんあるんですけど環境負荷だったり、働いてる人社員のストレス悪い意味のストレスは軽くしていきたいですし、取引先お客様もリョービだったら、一緒に仕事して楽しいなと思ってもらうような、そういう軽くするっていう言い方はすごく会社の考え方にあってるなとは思っています」