おいしくて効果的!短鎖脂肪酸を増やす「腸活ダイエットメニュー」3選

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ダイエットに良いといわれる「短鎖脂肪酸」とは?

最近、よく耳にする「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」という言葉。腸内で増やすことでダイエットにつながると知り、気になっている人もいるかもしれません。

先日、江崎グリコのセミナーに登壇していた腸内環境研究の第一人者といわれる慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授で株式会社メタジェン代表取締役社長CEOの福田真嗣先生によると、短鎖脂肪酸は腸内に存在し、腸内細菌が食物繊維を分解して作る最も多い代謝物質だといいます。主に酢酸、プロビオン酸、酪酸の3つを指すそうです。

近年、ようやくそのメカニズムが明らかになってきたそうで、「脂肪の蓄積を抑制する効果が期待できる」(福田先生以下、福田)とのこと。他にも、多様な効果が確認されているのだとか。

福田「短鎖脂肪酸には、他にも免疫賦活化、耐糖能改善、アレルギー抑制、便通改善、腸管バリア機能向上、持久力向上、炎症抑制といった健康効果が報告されています」

短鎖脂肪酸を腸内で作り出すには?

気になるのが、どうすれば腸内で効率よく短鎖脂肪酸を作り出すことができるかということ。

福田「腸内細菌のエサとなる食品、つまり食物繊維を含む食品が必要です。腸内にどのような腸内細菌がどのくらいいるかは人それぞれ異なります。重要なのは、エサとのマッチング。とはいえ、男女問わず全世代で食物繊維が足りていないので意識して摂取を」

年末年始に短鎖脂肪酸を増やしたい人は必見!年越しそばとおせち料理の食べ方

同セミナーに登壇していた管理栄養士・料理家の柴田真希さんは、短鎖脂肪酸を腸内に効率よく作り出すための食べ方を具体的に教えてくれました。

柴田真希さん(以下、柴田)「ビフィズス菌入りヨーグルト100gと水溶性食物繊維 2gの組み合わせがおすすめです。パッケージに『ビフィズス菌入り』と書いてあるヨーグルトを選び、1日100gを目安に食べる習慣をつけましょう。合わせて水溶性食物繊維2gを取り入れることがポイントです」

江崎グリコが独自開発したビフィズス菌「GCL2050株」は、短鎖脂肪酸を多く、効率良く作らせることが確認されており、食物繊維(イヌリン)と合わせることで腸内の短鎖脂肪酸の割合が高まることが実験結果として得られているそうです。ビフィズス菌商品を探す際には覚えておきましょう。

年末年始メニューからの水溶性食物繊維の取り入れ方

ところで、水溶性食物繊維を含む食品にはどんなものがあるのでしょうか?柴田さんは、年末年始メニューのうち、年越しそばとおせち料理でよく使われる食品を例に挙げ、どのくらいの量を含むのか教えてくれました。

「年越しそば」の水溶性食物繊維の量
・そば 1.0g(1杯200gあたり)
・トッピング:納豆 0.9g(1パック 40gあたり)
・かき揚げ・天ぷら:小麦粉 0.2g(20gあたり)

「おせち料理」の水溶性食物繊維の量
・栗きんとん
さつまいも 0.5g(50gあたり)、くり甘露煮 0.1g(20gあたり)

・たたきごぼう
ごぼう 0.7g(1/5本・30g)

・酢ばす
れんこん 0.1g(小1節・50g)

・お雑煮
里芋 0.4g(1個・50g)
小松菜 0.2g(1株・40g)

出典:文部科学省「日本標準食品成分表2020年版(八訂)」より計算

年越しそばやおせち料理では、これらを目安に、1日2g摂取を目指しましょう。

短鎖脂肪酸を増やすための手軽に作れるメニュー3選

続いては、柴田さんがおすすめする「ビフィズス菌入りヨーグルト」×「水溶性食物繊維」の3つのメニューをチェックしておきましょう。

1.「根菜のホットサラダ ヨーグルトのバーニャカウダ風」

「根菜のホットサラダ ヨーグルトのバーニャカウダ風」

柴田「オリーブオイルとにんにくを温めて、粗熱が取れたらみそ+ビフィズス菌入りヨーグルトで味付けを。ごぼう、ブロッコリー、にんじん、さつまいも、かぶなどをディップしていただきましょう」

2.「根菜のキーマカレー ヨーグルトソース」

「根菜のキーマカレー ヨーグルトソース」

柴田「豚ひき肉、じゃがいも、ごぼう、にんじん、しいたけを使ったレンチンでできるカレーです。ごはんは麦ごはんにすることで、白米より水溶性食物繊維を自然に摂れますよ。カレーをお皿に盛り付けたら、最後にビフィズス菌入りヨーグルトをトッピングしましょう」

3.「焼き芋のヨーグルトスムージー」

「焼き芋のヨーグルトスムージー」

柴田「焼き芋、アボカド、しょうがを、豆乳とビフィズス菌入りヨーグルトでわったスムージー。寒い季節は焼き芋を温かいまま使いましょう」

年末年始はどうしても食べ過ぎてしまい、正月明けに悩むことも。でも、取り入れる食品を賢く選べば、短鎖脂肪酸を増やせる可能性も。ぜひこの年末年始も賢く腸活を行いましょう。

【取材協力】
福田 真嗣(ふくだ・しんじ)先生

慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授、株式会社メタジェン代表取締役社長CEO。1977年生まれ。2006年、明治大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。理化学研究所基礎科学特別研究員などを経て、’12年より慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授。’19年より同特任教授。’13年、文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。’15年、文部科学省科学技術・学術政策研究所「科学技術への顕著な貢献2015」に選定。同年、ビジネスプラン「便から生み出す健康社会」でバイオサイエンスグランプリにて最優秀賞を受賞し、株式会社メタジェンを設立。同年、代表取締役社長CEOに就任。

柴田 真希(しばた・まき)さん

管理栄養士・料理家。1981年、東京生まれ。女子栄養大学短期大学部卒業後、給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などの業務に携わり、独立。27年間悩み続けた便秘を3日で治した「雑穀」や「米食の素晴らしさ」を広めるべく、雑穀のブランド「美穀小町」を立ち上げる。

(ハピママ*/ 今村 梓)

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