朝地駅、地域の歴史を見守り続け100周年 記念イベントに住民ら300人【大分県】

開業100周年を迎えたJR朝地駅=豊後大野市朝地町坪泉
ソーランを踊る朝地小中学校中学部の生徒
「朝地駅開通祝賀の歌」を披露する地元の小中学生ら
記念イベントには住民ら300人以上が詰めかけた

 【豊後大野】豊後大野市朝地町のJR朝地駅が20日、開業100周年を迎えた。豊肥線は大分方面から延伸し、同駅は1923年12月20日にオープンした。住民らでつくる実行委員会(森誠一会長)が16日に記念イベントを開催。普段は人がまばらな駅前に300人以上が集まり、地域の歴史を見守ってきた駅に感謝した。

 実行委などによると、当時の鉄道省は緒方から竹田までを直線的に結ぶ計画だったが、朝地出身の吉良元夫衆院議員が政治力で変更させたため、地元では朝地駅に向かうカーブのことを「吉良曲がり」と呼んだ。同駅構内には吉良議員の胸像が立てられている。

 83年11月から無人駅に。2012年2月に九州オルレ奥豊後コースの出発点となり、同10月から観光案内所が併設された。

 同駅前や市朝地支所特設会場であった記念イベントでは、神事やJR大分支社協調楽団の演奏、朝地小中学校中学部のソーランなどに続き、森会長が「町の玄関口としての役割を果たし、旅立ちや高校通学などで皆さんの思い出が詰まった駅。これからもずっと役に立ち、愛されることを願う」とあいさつした。

 100年前に歌われた「朝地駅開通祝賀の歌」「朝地駅開通祝賀行進曲」を地元のコーラスグループや小中学生などが披露。その後、集まった住民らが同駅から近くの市朝地支所までをパレードし、特設会場で園児による歌や豊勇会の和太鼓、朝地神楽の舞などが繰り広げられた。100年の歴史を振り返る資料展示などもあった。

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