ダイノジ大谷さん、別府ブルーバード劇場で「映画会」 17年から不定期開催、独自の視点でトークも【大分県】

観賞した作品について話す大谷ノブ彦さん=別府ブルーバード劇場
参加者と一緒に記念写真に収まる大谷さん(前列右から3人目)と岡村照館長(同2人目)

 【別府】エンターテインメント分野でマルチに活躍するお笑いコンビ「ダイノジ」の大谷ノブ彦さん(51)(佐伯市出身)と観賞する「大谷映画会」が、老舗映画館「別府ブルーバード劇場」(別府市)で不定期に開かれている。大谷さんが独自の視点で解釈や作品への思いを語るトーク付き。映画文化をより身近に感じる場になっている。

 映画会は大谷さんと同劇場の企画。地域と映画館を盛り上げるイベントとして、大谷さんの提案で2017年1月から始まった。

 月1回程度の頻度で、劇場のラインアップの中から大谷さんが気になる作品を選ぶ。初回はヒューマンコメディー「湯を沸かすほどの熱い愛」で、その後も恋愛、ホラーなどさまざまなジャンルを取り上げている。

 50回目の節目となる14日は話題作の「月」(石井裕也監督)。重度障害者施設での大量殺傷事件を題材にしたストーリーで、出演は宮沢りえ、オダギリジョー、磯村勇斗ら。

 終了後のトークタイムで大谷さんは、過去の名作や歴史、宗教的な要素などを引き合いに出しながら、作品中の象徴的な色や物などを説明した。「過剰なリアリティーを描くことで、問題提起をしている作品。いいとか悪いとかではなく、それぞれ考えるということに意味があるのでは」と話した。

 別府市北中の保育士岩崎陽子さん(39)はこれまでに10回以上、映画会に参加している。「いつも考えさせられる。自分も行動しなければと思ってしまう」と話した。

 大谷さんはお笑い、ロックフェス(音楽)、ラジオDJなどの分野で活躍。映画との接点は幼少期からで「映画館に行くのが日常だった」と振り返る。別府市には立命館アジア太平洋大の非常勤講師として17年から定期的に訪れ、別府八湯温泉まつりにも参加する。「市民と一緒に映画を見たいという単純な気持ち。特別な決め事をせず、映画館の魅力を伝えていきたい」と話している。

 次回は1月11日午後7時から。作品は「愛にイナズマ」(同監督)。参加料は2千円(学生1300円)。問い合わせは同劇場(0977.21.1192)。

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