茶を通し博愛の心届け20周年 大分市の「いち碗茶赤十字ボランティア」が記念茶会【大分県】

記念茶会でお点前を披露するメンバー=大分市大手町の日本福音ルーテル大分教会
記念茶会でお点前を披露するメンバー

 【大分】大分市の奉仕団体「いち碗(わん)茶赤十字ボランティア」が16日、発足20周年の記念茶会を同市で開いた。メンバーは「一服のお茶を通して赤十字の人道、博愛の精神、ほっとする時間を届けていきたい」と話している。

 日本赤十字社のボランティアグループには市区町村ごとに組織する「地域奉仕団」、18~30歳の社会人や学生らによる「青年奉仕団」、さまざまな専門技術や職業を生かす「特殊奉仕団」の3種類がある。

 いち碗茶は特殊奉仕団に属し、県内で茶道をたしなむ人を中心に2001年に発足した。現在はさまざまな職種の20~70代の16人が活動。同社県支部のチャリティーや国際交流事業、児童館、福祉施設などで抹茶をたて、菓子と共に癒やしの時間を提供している。

 東日本大震災や熊本・大分地震、福岡・大分豪雨の被災地では仮設住宅や高齢者施設を訪問。作法にこだわらず、大きなやかんとご飯茶わんで温かい茶を楽しんでもらったことも。

 昨年、20周年の節目を迎えたが、新型コロナウイルスの影響で1年遅れの記念式典を日本福音ルーテル大分教会(同市大手町)で開いた。

 周辺住民や信者、赤十字関係者ら約40人が参加。井手口良一委員長(72)が「お茶で赤十字の活動に貢献できるのか最初は不安だったが、浮足立った災害や訓練の現場で一碗のお茶がどれだけ人の心を落ち着かせ、和ませるかを実感した」とあいさつ。

 同教会では毎年、チャリティー茶会を実施している。この日は礼拝堂に赤いポインセチアを飾り、金色やガラス製の茶道具でクリスマスの華やいだ雰囲気を演出した。メンバーがお点前を披露。参加者は集会所で菓子と抹茶を味わった。

 事務局の安藤道子さん(72)は「奉仕のつもりが何倍もの笑顔と元気を頂き、次も頑張ろうという気持ちになる。活動を若い世代につないでいきたい」と話した。

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