ソニー長崎TECの拡張完了 スマホカメラ向け半導体の拠点、生産力の増強へ 諫早市

5棟目生産棟の最終拡張部分は点線部分=諫早市(ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング提供)

 スマートフォンカメラ向け半導体の生産拠点「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング長崎テクノロジーセンター」(長崎TEC、長崎県諫早市)の5棟目生産棟(Fab(ファブ)5)の最終拡張工事が完了し、22日、現地で竣工(しゅんこう)式があった。今後市場動向を見極めながら内部の生産設備を拡充する。
 工事を進めていたソニーグループの十時裕樹社長は「今後も長崎テクノロジーセンターで造り出すイメージセンサーを世界中のお客さまに提供し、より安心、便利で感動あふれる社会の実現に貢献したい」と述べた。来賓の大石賢吾知事や大久保潔重諫早市長ら約160人が出席した。
 2021年4月に稼働した6階建てFab5は、第2期増設となる今回の最終拡張で、延べ約15万5300平方メートル(うちクリーンルーム3万6800平方メートル)となった。人の網膜の役割を果たす半導体「CMOS(シーモス)イメージセンサー」のスマホカメラ向け生産拠点である長崎TECの五つの生産棟では最大規模。
 長崎TECの生産棟整備はこれで完了し、今後は内部設備の増強を図る。同社の今中期(21~23年度)のイメージセンサー事業設備投資額は約9千億円。イメージセンサーの世界シェア(金額ベース)は22年度の51%から、25年度には60%を目指す。
 長崎TECの従業員数は約3800人(10月現在)。今回の拡張に伴う人員配置などは明らかにしていない。
 同市では京セラが来年前半、南諫早産業団地(小栗地区)に1棟目の工場の建設に着手するなど半導体関連の集積が進む。市は半導体関連産業などの進出の受け皿として、同団地周辺に新たな産業団地の整備を計画している。

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