【GXビジネス】今さら聞けない生成AI活用法② 「問題点認識型」の思考が必要に【大分県】 APC大分開発センター長の後藤喜博さんに聞く㊦

「生産性を上げるツールとして、生成AIを活用してほしい」と話すAPC(大分市)の後藤喜博さん=大分市

 リスキリングや社会人の学び直しにも活用できる生成AI(人工知能)。世界中で活用が進む中、AI時代に必要な考えや方や注意点は。大分県内の高校でAI教育を手がけるAPC(大分市羽屋新町)の大分開発センター長、後藤喜博さん(45)に話を聞いた。

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■AIは「優先順位」を判断しない

 ―生成AIを使いこなしていく上で、必要な考え方は?

 今後は「問題点認識型」の思考が必要だと考えます。以前は専門的な知識や経験をベースに問題解決に導く「課題解決型」の人材が重宝されてきました。しかしチャットGPTやほかの生成AIもそうですが「すでに正解があるもの」を導き出すことにおいて、処理速度では人間より圧倒的に早いのです。

 具体的な例を挙げると、システムエンジニアがプログラミングソースを作ろうとした場合、制作時間は生成AIのスピードには勝てません。この先、システム開発の自動化が進むことで、エンジニアの仕事の9割はAIに任せることができると予想しています。

 AI時代に、人間が求められる能力は、さまざまな課題や問題の中から本質的な課題を見つけ、優先順位をつけて取り組んでいく「問題点認識型」や「課題抽出型」の思考が必要になってくる。なぜなら現状、AIは「良い、悪い」や「優先順位」という判断はしないからです。

 つまり「自分で認識し、設定した問いに対して、AIなどを駆使して検証をしていく」能力がビジネスパーソンに必要になってくるでしょう。

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