【GXビジネス】今さら聞けない生成AI活用法③ 農業参入、効率的な生産へデータ蓄積【大分県】 建設業の太真産業(大分市)

太真産業の園田高太郎代表取締役(中央)と生成AIでデータ管理をする日野昂太さん(左)、農業の責任者の竹内祐輔さん=大分市

 建設業の太真(たいしん)産業(園田高太郎代表取締役・大分市)は、2018年に異業種参入した農業分野で、日々取得しているデータを生成AIに入力している。将来の効率的な生産や需要予測などに生かすためだ。

 ブランド名は「リーゼント農園」。コメやサツマイモを皮切りに、キクラゲやシイタケ、今年からは小松菜やチンゲンサイなどの葉物野菜の栽培も始めた。

 生成AIの「チャットGPT」に、農地ごとに毎日の天気と日照時間、気温を入力している。野菜ごとに秀品の収穫量も読み込ませる。他にも年に1度、県薬剤師会に土を持ち込んで畑ごとの土壌分析をしている。「土の三大栄養素」と呼ばれる、窒素、リン酸、カリの数値を、土の水分量と合わせてチャットGPTに読み込ませている。

 農業ではデータ管理を担当する社員の日野昂太さん(26)は「データを蓄積して、野菜ごとに最適な生産開始時期や収穫量の予測につなげたい。例えば現状、同じニンジンを生産するにしても、時期が違えば500個の種から収穫できる量に差が出る。生産する最適なタイミングを勘に頼るのではなく、統計した数字を基に判断したい」。

 今後は農法を伝えていくセミナー事業にも取り組む予定。試行錯誤しながら確立した独自の栽培方法を、受講者に説明する際、正確なデータは不可欠だと考える。「チャットGPTには自社で研究してきた農法も読み込ませている。セミナーで使うスライドを作る際にも活用していく」と園田代表取締役(45)は話す。

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