青森県病、市民病院統合 新病院2候補地に遺跡 青森市長「調査に時間必要なら不適」

 青森市の西秀記市長は26日、県立中央病院と青森市民病院(ともに青森市)の統合新病院整備を巡り、候補地3カ所と1エリアのうち2カ所の敷地や周辺に遺跡があることを示し「文化財調査に時間がかかるなら、新病院の適地ではない」との見解を語った。

 候補地のうち、旧青森商業高校・県病敷地エリアは、一部が東造道遺跡に含まれる。県総合運動公園は近野遺跡の一部が含まれ、周辺に三内丸山遺跡がある。仮に建設工事で埋蔵文化財が発見された場合、調査などのため一定程度の時間を要する。

 西市長は同日の記者会見で「どこまで(文化財調査の)時間をかけられるかは、建設場所の選考条件になる」と説明。県と市の有識者会議が「2030年3月をめどに新病院開設」を目標とする意見を取りまとめたのを踏まえ「調査が何年もかかるなら、適地とは言えない。そのあたりを考慮しながら最終的な結論を出したい」と述べた。

 同日閉会した定例市議会で、残る1カ所の青い森セントラルパークを推す声が多く出たことには「それぞれ考えがあってのことだが、フラットな立場で(立地場所を議論する市の)検討会議を始めている」と説明。「最も良い場所を見つけるため会議を進める」とした。

 市は3カ所のほか、郊外の私有地として国道7号環状線道路沿いのエリアも検討に加えている。

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