滝の凍り具合で豊凶占い「乳穂ケ滝氷祭」 住民高齢化、人手不足で中止 青森・西目屋村

乳穂ケ滝の前で農作物の豊凶を占った氷祭=2019年2月17日、西目屋村

 青森県西目屋村の目屋観光協会(事務局・村産業課)は27日、来年2月に行う予定だった「乳穂ケ滝氷祭(におがたきこおりまつり)」の中止を発表した。協会と地元の名坪平地区会が主催していたが、住民の高齢化や人手不足で、祭りの事前準備が難しいためという。夜間ライトアップは行う予定。

 乳穂ケ滝は同村名坪平にある高さ約33メートルの滝。冬になると、上から伸びるつららと滝つぼの氷が近づき、巨大な氷柱となることで知られている。

 氷祭では、滝の凍り具合やたいまつの燃え方などから、その年の作柄を占う神事を行う。村によると、藩政時代から弘前藩主が乳穂ケ滝の結氷を気にかけていたとの記録があり、伝統的に豊凶を占う風習があったと考えられている。

 氷祭は新型コロナウイルスの影響で2020年2月を最後に3年間開催を見送っており、今回で中止は4年連続となった。

 村産業課の菅原孝之課長は「残念だが地域あってこその祭り。地元の意向を聞きながら、来年以降の開催については引き続き検討していく」と話した。

© 株式会社東奥日報社