全国高校ラグビー大会 長崎南山競り勝つ 県勢、15大会連続の初戦突破

【1回戦、山梨学院-長崎南山】後半28分、逆転のPGを決める長崎南山のSH山下蓮=花園ラグビー場

 第103回全国高校ラグビー大会第1日は27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開会式と1回戦9試合が行われ、長崎県代表で3大会ぶり7度目出場の長崎南山は初出場の山梨学院に28-26で競り勝って2回戦に進んだ。長崎県代表校の初戦突破は15大会連続。
 長崎南山は前半11分、SH山下蓮のトライ(ゴール)で先制。その後は点の取り合いとなり、リードが何度も入れ替わる接戦となった中、長崎南山は25-26で迎えた後半28分、山下蓮が逆転のPGを決めた。
 1回戦屈指の好カードとなった天理(奈良)-早実(東京第1)は、天理が14-7で逃げ切った。高鍋(宮崎)は大型の外国人留学生2人を擁する青森山田に33-14で快勝した。選手15人で臨んだ高松北(香川)は倉吉東(鳥取)に勝ったが、負傷者が出て登録選手が15人に満たなくなり、規定により2回戦は棄権となった。
 第2日は28日、同ラグビー場で1回戦残り10試合を実施。長崎南山は30日の2回戦(10時45分・第3グラウンド)でBシードの国学院栃木と対戦する。

◎山下蓮 冷静にゲームメーク 残り2分 逆転PG

 後半28分、25-26の1点ビハインド。正面約30メートルから狙ったSH山下蓮の逆転のPGが、鮮やかにクロスバーの真ん中を通過した。その後はSO土橋らの果敢なタックルでしのいで、そのままノーサイド。瞬間、長崎南山の選手たちの雄たけびが花園第1グラウンドに響き渡った。
 苦しい試合だった。大方の予想が「長崎南山優勢」だった中、初出場の山梨学院が大健闘。スタンドに駆けつけた多くの生徒の声援に押されるように、FWのモール攻撃や思い切りのいいバックス展開を披露した。2人の外国人留学生の力強さも際立っていた。一人一人が挑戦者としてひた向きに臨んできた。

【1回戦、山梨学院-長崎南山】後半22分、長崎南山のCTB池田が左中間にトライ=花園ラグビー場

 だが、長崎南山は焦らなかった。リードされても、冷静に、離されずに試合を進めた。プロップ谷口、本山は縦突破で何度も好機を演出した。11月の県大会決勝を故障欠場していたエース格のCTB後藤の戦列復帰もチームを勇気づけた。何よりも主将の山下蓮のゲームメークが抜群だった。山下蓮は「主将として落ち着いてまとめられるように心がけた。プレーの選択、精度を大切にした」と胸を張った。
 思わぬ苦戦を強いられたものの、チームは花園でしっかりと結果を出した。次の相手は春の全国選抜大会4強でBシードの国学院栃木。1年間、チームを引っ張ってきた後藤が力強く宣言した。「ひたすら体を当てて、ボールを動かし続けて、60分間走り続ける。強豪だけれど一歩も引く気はない」。今度は長崎南山が挑戦者として勝利をつかみにいく。

© 株式会社長崎新聞社