国際観光「欧米視野に開拓」 宮下青森県知事インタビュー 12月29日で就任半年

国際観光や子育て、ゼロカーボンなどの施策について質問に答える宮下知事=県庁

 宮下宗一郎知事は就任から半年となる29日を前に、東奥日報のインタビューに応じた。回復基調にあるインバウンド(訪日客)需要の取り込みに向けた国際観光施策に関し「県の役割は開拓。とりわけ欧米、東南アジアを視野に入れ誘客交流を展開していく」と意欲を示した。主な一問一答は次の通り。

 -国際定期便の青森-ソウル線が2024年1月に運航再開する。国際観光の振興にどう取り組むか。

 「(開拓に向けた)調査とプロモーションを今まで対象としていた国以外にも広げたい。まずは欧米。東南アジアはシンガポールを想定した話が少しずつ出てきている」

 「本県が潜在的な力を発揮すれば春から秋まではにぎわう。一方で課題は冬。今冬は県内各地を回ってどこに可能性があるのか考え、それを政策にしたい」

 -知事選で公約に掲げた「ゼロカーボン立県」の見通しは。

 「2024年で何らかの新機軸を打ち出し、個別の事業も何本か政策として立て、GX(グリーントランスフォーメーション)で先端を行く県にしたい」

 -子育て経費の段階的な無償化も公約の一つ。24年度はどの経費を対象とするか。

 「最終調整中。市町村長の意見を聞く場面もつくるかもしれないが、あとは決めるだけだ」

 -24年3月末で閉館する棟方志功記念館(青森市)の利活用に向けた財政支援は。

 「大事なことはどう残すかで、まずは青森市のビジョンを聞きたい。財政支援に関してはその先の話。県全体で利用できる形や、世界に広げていく施設になるなら、県も協力できるという話になるのではないか」

 -就任から半年。印象深かった出来事は何か。

 「各地の祭りで県民の大歓迎を受け、そこで向けられた笑顔や声援、拍手は一生忘れられないと思う」

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