南あわじの名所「灘黒岩水仙郷」3年ぶり開園 カフェや遊歩道新設、紀伊水道も一望 1月中旬にはスイセン見頃

灘黒岩水仙郷のリニューアルを祝って催された竣工式=南あわじ市灘黒岩

 淡路島の冬の観光名所「灘黒岩水仙郷」(兵庫県南あわじ市灘黒岩)がリニューアルを終え、3年ぶりに開園した。老朽化した管理棟を撤去し、飲食店などが入る建物を新設。園内に新たに遊歩道を設け、スイセンを追加で植栽した。事業費計約11億円をかけた灘地区の新たなランドマークとして、さらなる観光客の呼び込みを目指す。(西竹唯太朗)

 市などによると、水仙郷は1950年代に地元住民が主体となって開いた。管理棟は77年に民間が建設したという。96年に旧南淡町が用地や建物などを買収して公営施設化。住民団体「灘・沼島ふるさと会」が指定管理者を担ってきた。

 新たな建屋は鉄骨2階建て。2階には同市倭文長田の人気カフェ「ふくカフェ」が入り、クロワッサン生地を使った水仙郷店限定メニューのワッフルのほか、カレーや牛丼なども提供する。屋上は、紀伊水道が一望できる展望フロアとして開放する。

 園内には計約200メートルの階段状の遊歩道を設置。以前の遊歩道は斜面に直接添えてあり、傾斜地のため落石の危険があったが、今回の整備で解消した。

 また、近年開花しないスイセンが増えていたため、追加で球根を植栽。今後も地元住民と連携し、地域で育てた球根を植えていく予定。

 一方、リニューアル前の水仙郷の敷地は約1万4千平方メートルだったが、再整備の対象を市有地に限ったため、園内の敷地面積は約1500平方メートルになった。

 園内のスイセンはまだ咲き始めで、見頃を迎えるのは1月中旬ごろになるという。25日にあった竣工式で守本憲弘市長は「地域発展の中核として、地元の人と一緒に盛りあげていきたい」と力を込めた。

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