地球外知的生命の探査など、天文分野におけるユニークな研究で知られる兵庫県立大理学博士の鳴沢真也さん(58)の名前が11月、フランスの国際天文学連合(IAU)によって小惑星に命名された。専門分野である連星の研究が評価され、NPO法人東亜天文学会(神戸市)から推薦された。(勝浦美香)
鳴沢さんは、同大西はりま天文台(佐用町)に1995年から28年間勤務し、個性的な研究内容やユーモアあふれる星空解説などで来場者の人気を集めていた。現在は同大自然・環境科学研究所の講師を務めている。
「Narusawa」と名付けられた小惑星は、1989年11月に北海道のアマチュア天文家の男性2人が発見したもの。火星と木星の公転軌道の間にある小惑星帯の中の一つで、直径は4.8キロ。現在は20等級の明るさで、肉眼や小さな望遠鏡では観測できないという。
東亜天文学会に所属する2人は、同会の山田義弘理事長に命名提案権を一任。研究成果などから鳴沢さんが選ばれた。12月27日には命名記念額の贈呈式があり、山田理事長が額を鳴沢さんに手渡した。
山田理事長によると、日本の天文関係者はこれまでに200人前後がその名を小惑星に冠している。西はりま天文台の関連では、名誉顧問の森本雅樹さん(故人)や元天文台長の黒田武彦さんの名前もついており、鳴沢さんは「これに恥じぬよう、これからも研究を頑張りたい」と表情を引き締めていた。