神戸市役所の最上階、五つ星ホテルロビーに 地上28階の新2号館は「灯台」イメージ、海と山を一望

神戸市役所2号館の建て替えイメージ。最上階にホテルのロビーを設ける(関係者提供)

 2028年に建て替え予定の神戸市役所本庁舎2号館(神戸市中央区加納町6)が、港町を照らす「灯台」をイメージさせる構造になることが分かった。上層部に整備される兵庫県内初の五つ星クラスのホテルは、当初17階にロビーを設ける計画だったが、最上階の28階に変更し、夜通し光を放つ。宿泊客は神戸の眺望を満喫できる。(金 旻革)

 2号館の建て替えは、官民で進める神戸・三宮再整備の目玉の一つ。旧2号館は1995年の阪神・淡路大震災で6階がつぶれ、6~8階を撤去して使用後、老朽化などで22年に解体した。建て替えはオリックス不動産(東京)を代表とする企業グループ8社が担い、三宮と旧居留地、ウオーターフロントを結節する拠点に位置付ける。

 同年8月に公表された建物の整備案は、高さ約125メートルの地上24階、地下2階建てだった。その後、竹中工務店などが基本設計を手がけ、高さ約140メートル、地上は28階に変更した。

 関係者によると、ホテル部分は当初案の16~24階から20~28階とし、レセプションロビーは最上階に整備する。宿泊客が、海と山が広がる神戸の街並みを一望できるよう工夫したとされる。28階にはレストランやバーの整備も検討しているという。

 ロビーの配置換えに伴い、新2号館の最上部は夜間も照明がともる構造となる。関係者は「灯台のような存在としてミナト神戸の新しいランドマークとなるだろう」と話す。

 市はウオーターフロントを中心とした「ナイトタイムエコノミー」(夜間の経済活動)の充実に力を入れている。大規模リニューアル中のポートタワーに新設する展望エリアにはバーを配置。夏限定だった花火大会の分散開催やメリケンパークのイルミネーションなど、インバウンド(訪日客)を中心とした誘客の試みを進めている。

 30年前後には神戸空港の国際定期便就航が予定されており、新2号館には街のにぎわい創出への貢献が期待される。

© 株式会社神戸新聞社