〈1.1大震災〉富山市の中1男子死亡 輪島帰省中、家屋下敷きに

 富山市の藤井裕久市長は4日、石川県で最大震度7を観測した能登半島地震で、市立中学1年の男子生徒が輪島市に保護者と帰省中に被災し、死亡したと明らかにした。能登半島地震で富山県内在住者の死亡が判明するのは初めて。

 富山市教委によると、男子生徒は1日に輪島市内で倒壊した家屋の下敷きになった。学校側の安否確認で、4日午前に男子生徒の保護者と連絡がつながり、亡くなっていたことが分かった。行政や警察などから情報は入っておらず、詳細を確認中とした。市教委は生徒の氏名や学校名を公表していない。

 宮口克志教育長は富山新聞社の取材に「将来ある若い命が失われ、残念で痛ましい。保護者、親族にお悔やみ申し上げ、ご冥福をお祈りしたい」と述べた。新田八朗知事は報道陣の取材に詳しい状況を把握できていないとした上で「中学生が命を失ってしまいとても残念だ」と語った。

 市教委によると、市内小中学校が2日から保護者との連絡用のスマートフォンアプリや電話で児童生徒の安否を確認しており、児童生徒10人程度が石川県内で被災し、避難所に滞在しているという。4日午後4時時点で男子生徒を除き、人的被害は確認されていない。同時点で市内の全児童生徒約2万8千人のうち約230人の保護者と連絡が取れておらず、各校が安否確認を続けている。

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