〈1.1大震災〉死者84人、生き埋め50件 72時間超え、懸命の捜索

安否不明者がいるとみられる家屋を調べる消防隊員=4日午後3時20分、珠洲市宝立町鵜飼

  ●被害全容つかめず安否不明179人

  ●負傷305人、避難者3万3530人

 石川県全域を襲い、最大震度7を観測した能登半島地震で4日、県内の死者は84人となった。県は安否不明者として未成年3人を含む179人の氏名などを公表した。負傷者は305人、避難者は7市7町の3万3530人。輪島市には生き埋め情報が40~50件寄せられ、生存率が大幅に下がる発生72時間が経過する中、各地で警察や消防による懸命の捜索が続いた。地震発生から4日目、人的被害を含め被害の全容は依然、把握されていない。

 市町別の死者は輪島市が48人、珠洲市は23人、七尾市は5人、穴水町は4人、能登町は2人、羽咋市、志賀町が各1人。所在不明で死亡の疑いがある行方不明者は6人。富山市は市内の中学1年の男子生徒が輪島市に保護者と帰省中、被災し、死亡したと明かした。

 通行止めの道路は41路線93カ所。県道七尾輪島線や珠洲道路の応急復旧作業が完了し、穴水町から輪島市役所、珠洲市役所、能登町役場をつなぐ各ルートは大型車が通行可能となった。

 支援物資の輸送が進む可能性があるが、道路が寸断されており国道249号や県道1号の一部などアクセスは限られている。余震や降雨による土砂崩れも起きており、土砂災害など二次災害への懸念も高まっている。

  ●孤立770人以上

 3市2町の770人以上が孤立している。能登町十郎原、田代地区で新たに確認され、同町の孤立集落は計4カ所で、40人ほどいるとみられる。珠洲市では計9カ所で、710人以上が救援を待つ。輪島市では14地区、七尾市1地区、穴水町2地区の住民が孤立。

 避難所は計371カ所。輪島市が151カ所、避難者数1万2440人と最も多く、珠洲市6981人、能登町5505人、穴水町3794人などとなる。

 断水は県内計約8万1千戸で続いており、七尾、輪島、珠洲、志賀、中能登、能登、穴水の3市4町は、ほぼ全域にわたって水が出ない。

 停電は約3万700戸を数え、輪島市が1万600戸、珠洲市が8100戸、穴水町が5400戸、能登町が6200戸など。県内で建物の全壊、半壊が計200軒以上で確認された。

 ★安否不明者と行方不明者 内閣府の指針では、災害時の安否不明者を「行方不明者となる疑いのある者」と説明。行方不明者については「災害が原因で所在不明となり、かつ、死亡の疑いのある者」としている。安否不明者は一般的に災害に巻き込まれた可能性があり、連絡が取れない人を指すが、後に無事が確認される場合も多い。

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