金沢・粟崎の断水長期化 給水所通い「つらい」

水道管の取り換え工事を行う業者=金沢市粟崎町

 金沢市粟崎地区の断水は地震発生5日目の5日も続いた。市企業局は「1~2週間での復旧を目指す」としているが、金沢ではこれまで水道管の部分的な修繕によって1日程度で復旧するケースがほとんどで、異例の長期となる。住民からは日常生活の維持へ不安の声が広がっている。

 粟崎地区では大野川沿いの低地を中心に「液状化現象」が発生した。この影響で道路が変形し、住宅が傾いたほか、地中の水道管がずれたり、破損したりして水の供給がストップした。

 市企業局によると、5日午後5時現在、粟崎町の185世帯が断水している。中でも粟崎小前の市道に面するエリア(30~40世帯)は被害が大きく、損傷具合の確認や部材の取り寄せに時間がかかるため、復旧時期は定かでないという。

 今後、仮設管を本管と接続し、通水して管を洗いながら水漏れの発生箇所を見極めた上で断水の解消を図る。

 市企業局は粟崎小と市ものづくり会館に給水所を開設している。毎日、給水所で水をもらい、トイレや炊事に利用している田中滋人さん(81)は「何もかも不便だ。必要最小限しか水を使えないのがつらい」とため息をついた。

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