大槌のキッチンカー、石川に支援へ ジビエ食肉加工業MOMIJI

キッチンカーに支援物資を積み込む藤原朋さん(中央)ら=5日、大槌町安渡

 大槌町のジビエ食肉加工業MOMIJI(兼沢幸男代表取締役)のキッチンカーが5日、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市に支援物資を届けるため町を出発した。町民や町が水や米などを持ち寄り、東日本大震災の経験を生かして寒さに耐える避難者に温かい料理を届ける。同社取締役の藤原朋さん(39)が「支援が届きにくい在宅避難者や小規模避難所に向かいたい」とハンドルを握る。

 同日午前、同町安渡の事務所に米や甘酒、おむつなど多くの善意が集まった。MOMIJIは1日の地震発生後、交流サイト(SNS)で物資の提供を呼びかけたり、現地の情報収集に努めたりと即座に支援準備を開始。役員の友人が輪島市にいる縁で、支援先を決めた。

 町は備蓄する飲料水480リットル、湯や水を加えるだけでご飯ができるアルファ米500人分を託した。平野公三町長は「災害からの復旧、復興は自衛隊などによる救助が終わってからの方が長い。長期戦で自治体職員が疲れないよう、県や町村会などから要請があれば職員派遣も検討したい」と見据える。

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