【MLB】マリナーズが2件のトレードで外野手を補強 21年サイ・ヤング賞投手レイはジャイアンツへ

写真:ジャイアンツへとトレードされたロビー・レイ

1月5日(日本時間6日)、マリナーズが1日で2件のトレードを成立させ、手薄になっていた外野陣の補強を一気に進めた。

1件目のトレード相手はジャイアンツ。マリナーズが獲得したのは外野手のミッチ・ハニガーと投手のアンソニー・ディスクラファーニ、そして金銭負担が600万ドル。対価としてジャイアンツが獲得したのは元サイ・ヤング賞投手のロビー・レイだ。

このトレードで一番の大物であるレイは、現在32歳の左腕。ブルージェイズ時代の2021年にサイ・ヤング賞に輝きFAになると、マリナーズが5年1億1500万ドルで獲得した。大型契約1年目の2022年シーズンは規定投球回に到達し防御率3.71とまずまずの数字を残していたが、昨年は4月にトミー・ジョン手術を受け、わずか1試合の登板に終わった。復帰は今季の後半戦になると見込まれている。レイの契約は残り3年7300万ドルだが、今季終了後にオプトアウト(契約破棄)してFAになる権利を持っている。

マリナーズが獲得した2人の選手も今季終了後にFAになる可能性がある。ディスクラファーニは今季が3年契約の最終年。また、昨年のFAから1年でマリナーズに復帰することになったハニガーは、今季が3年契約の2年目だが、今季終了後にオプトアウトすることができる。昨年のハニガーは故障もあって打率.209、6本塁打と低調な成績に終わったが、マリナーズとしては長年過ごしたシアトルで復活することに期待しているのだろう。

今季の年俸はレイが2300万ドルで、ハニガーとデスクラファニはそれぞれ1700万ドルと1200万ドル。ここにジャイアンツが600万ドルの金銭をつけたことで今季年俸は釣り合った形だ。

また、マリナーズの2件目のトレード相手はレイズ。マリナーズが獲得したのは外野手のルーク・レイリー、レイズが獲得したのは内野手のホセ・カバイェロだ。

左の外野手レイリーは29歳ながらメジャーでのキャリアはまだ3年。昨年は118試合に出場し規定打席未到達ながら19本塁打、OPS.824を記録しブレイクイヤーとなった。外野の他には一塁も守ることができ、守備面も悪くはない。昨年両翼を守ったテオスカー・ヘルナンデスをFAで、ジャレッド・ケルニックをトレードでそれぞれ失ったマリナーズは、ハニガーの獲得と合わせて両翼の穴を埋めることに成功した。

一方でレイズはカバイェロを獲得したことで内野の層を厚くすることに成功。昨年デビューしたばかりのカバイェロは二塁、三塁、遊撃を守ることができるユーティリティで守備力も高い。マイナーリーグオプションも残っているため、成績が悪化すればマイナーに落とすことのできる編成上の柔軟性もある。

レイズは若手スター遊撃手ワンダー・フランコが昨年未成年少女との不適切な関係の問題が浮上し休職扱いになるなど先行き不透明な状況。現在フランコは母国ドミニカで14歳少女に対する商業的性的搾取の疑いで捜査を受けており、5日には判事から今後半年間は毎月出廷することを言い渡されている。レイズとしては、フランコの復帰は難しいという前提で内野の補強に動いたということだろう。

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