富山県が石川の被災者受け入れへ 2次避難所提供 公営住宅、宿泊施設

避難所でストーブにあたり会話する被災者=6日午後4時50分、珠洲市野々江町の飯田高校

 富山県は、石川県に対し能登半島地震の被災者を受け入れる2次避難所として、公営住宅や宿泊施設を提供すると申し出た。馳浩石川県知事が8日の県災害対策本部員会議で明らかにした。富山県の担当者は、当面は県内の被災者対応を優先し、石川から受け入れる人数や開始時期、施設数は未定とし「県内の対応が落ち着き、人的なリソースが割けるようになった後に対応を検討する」と述べた。

 県内では8日午後1時時点で地震による死者は出ておらず、避難所10カ所に122人が身を寄せている。一方、石川県内の死者は同日午後2時時点で168人、安否不明者も323人を数える。避難所は8市7町に391カ所が開設され、2万8160人が過ごしている。

 富山県ホテル・旅館生活衛生同業組合は、同県内の29施設で計740人の受け入れが可能との意向を示している。

 新田八朗知事は、4日に行われた中部9県と名古屋市の首長らによるオンライン会議で「石川県が被災した際の応援で富山は第1順位だが、こちらも被災しており十分にその役割を果たせていない」と述べた。その上で、DMAT(災害派遣医療チーム)やDHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)を派遣し、ドクターヘリで患者を移送していると紹介。「できる応援をしていると、ご理解いただきたい」との見解を示していた。

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